米NY市長選に「ベーシックインカム」提唱のA・ヤンが出馬

Scott Olson/Getty Images

元民主党大統領候補のアンドリュー・ヤンは1月13日、次期ニューヨーク市長選挙に立候補すると正式に表明した。

ヤンは13日にウェブサイトを立ち上げ、キャンペーンビデオを公開した。彼は、大統領選に出馬した際に公約に掲げた「史上最大のベーシックインカムプログラム」をニューヨーク市にもたらすと述べている。

彼はまた、貧困層を支援するための「ピープルズ・バンク」を設立し、高速インターネットへのアクセスを拡大するほか、ニューヨークの地下鉄を市民の手に取り戻すと宣言した。

市長選に向けては既に20人以上の民主党議員が出馬を宣言しており、その中にはブルックリン区長のエリック・アダムスのような著名な政治家も含まれている。先月、Education Reform Nowが実施した世論調査で、ヤンは17%の支持率を得て有力候補となり、支持率16%のアダムスを僅差で上回っていた。

他の候補者で7%以上の支持を得た者はいなかったが、調査対象者の40%は候補者が未定、もしくはマイナーな候補者を支持していることが判明していた。

現職のビル・デ・ブラシオ市長(民主党)は、今年の選挙に出馬する資格が無い。民主・共和両党の市長選挙の予備選は6月22日に行われ、総選挙は11月2日に行われる。

ヤンはパンデミックの間に、その他の裕福なニューヨーカーたちと同様に、郊外に避難していたため、地元の住民から支持されるかどうかが懸念されている。彼はまた、長年ニューヨークに居住しているにも関わらず、地元の選挙に投票した経歴が無く、政治に無関心だったことも指摘されている。

ヤンはニューヨークのシェネクタディで生まれ、市の北のウェストチェスター郡で育った後、過去25年間ニューヨーク市に住んでいる。政界で無名だった彼は、2020年の大統領選に向けての活動で一気に有名候補に浮上した。

彼は大統領選で「自由の配当(The Freedom Dividend)」というアイデアを公約に掲げて注目を集めた。これは、18歳以上の全ての米国民に月額1000ドルのユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)を支給するという政策で、経済環境の急激な変化によって生活が不安定になっても、UBIによって困窮を緩和できるというのがその狙いだった。

しかし、彼の選挙運動は最終的に失敗し、ニューハンプシャー州の第1次選挙を終えた時点で選挙戦から脱落した。ヤンはその後、CNNの政治コメンテーターに転身していた。

編集=上田裕資

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