2012年設立のAffirmの企業価値は、2020年9月の資金調達の際に約50億ドルとされていた。同社はその後のわずか4カ月で、180億ドルも企業価値を高めたことになる。
Affirmは消費者向けに、シャツから車のタイヤまであらゆるものを後払いで購入させる決済サービスを提供し、分割払いでの返済を可能にしている。取引の約半分には利息が発生するが、同社の収益の大半は加盟店に請求する手数料から生まれている。
Affirmにとって最大の顧客は、米国で大人気のフィットネスマシンのペロトン(Peloton)で、2020年9月末までの四半期の売上の30%が、ペロトンからのものだった。ペロトンのバイクは2000ドル以上もする高価なものだが、Affirmの決済サービスを使えば、金利0%の分割払いで購入できる。
「当社は融資事業を行っているが、卑劣でダーティな貸金業者とは一線を画し、クリーンなビジネスモデルにしようとしている」と、Affirm創業者のマックス・レブチンは2019年のフォーブスの取材に述べていた。
パンデミックは、他の多くのフィンテック企業と同様に、Affirmの事業の追い風となった。2020年の夏にEコマースが爆発的に成長した中で、Affirmの売上も前年比で98%のプラスとなった。
しかし、この分野ではライバルも多い。5年前に設立され、240億ドルと評価されたオーストラリアのAfterpayは、米国で1300万人の顧客を抱えている。2005年設立のKlarnaは最近、107億ドルと評価され、1100万人の米国人ユーザーを抱えている。
Affirmのユーザー数は600万人だ。
「競争の激しい市場ゆえに、そのプレッシャーを受けていることは間違いない」と、レブチンは13日、フォーブスの取材で話した。「ただし、ここで本当に重要なのは競争があるかどうかではない。他の企業に真似できない価値を顧客に提供しているかどうかだ」
Affirmの株式の11%を保有するレブチンの推定保有資産は27億ドル(約2800億円)となった。フィンテック業界からまた新たなビリオネアが誕生した。