このスニーカーは昨年7月にも、ベルギーで発売された際に同様の現象を引き起こし、ネット上では多くが高値で転売された。英紙ミラーによると、フィンランドで発売された際にもスニーカーを求める人々が何時間も行列。同国のオークションサイト「トリ(Tori)」ではその後、このスニーカーが1足5400ポンド(約76万円)で売り出された。
I have secured the most anticipated high fashion drop of 2020#lidlsneaker #sneakerheadhttps://t.co/retPcyMGBA pic.twitter.com/lml6RsIQcF
— Lisa Richards Official (@wikkybikky) December 15, 2020
しかし仏経済紙レゼコーが報じたところによると、これは全て販売元企業による計算づくの戦略だった。スニーカーの販売元は、欧州全土に加え英国や米国で格安スーパーを展開する独リドル。同社は、安売り店舗としてのブランドイメージを一新し、高級志向のクールなブランドに生まれ変わらせようとしている。
リドル・フランスのミシェル・ビエロ購買部長は、このスニーカーが2019年に発表された際には気に入らず、フランスでは販売しないことに決めた。しかし、ベルギーのセレブたちがこのスニーカーを履いている画像をソーシャルメディアに投稿しているのを見て、すぐに考えを変えた。
ビエロは需要を促進するため、フランスでは数量限定かつ低価格で販売することにした。販売数は1500店舗で合わせて7万5000足のみ。1店舗当たり50足の計算だ。
リドルはまた、フランスのサッカー選手ジブリル・シセらセレブにもスニーカーを送付。このスニーカーを気に入ったシセがトーク番組で着用したことで、話題を呼んだ。
リドルがファッション分野に関わるようになったのは2017年のこと。リドルはモデルのハイディ・クルムとタッグを組み、自社の店舗でファッションショーを開催。その際、出席者に無料で配布した同社のロゴと配色を使った靴下が大人気となり、話題を呼んだ。