大統領のツイートに警告ラベルを表示していたツイッターは、先週の米連邦議会議事堂での暴動を受け、トランプ大統領のアカウントを永久凍結した。これによりトランプは、支持者をあおり反対派を攻撃するためこれまで活用してきた強力なツールを奪われた。
大統領に就任後、トランプのツイッターへの依存度が高まっていることは年を追うごとに明らかになった。トランプのツイートやリツイートの数は、2018年の約3500件から2019年には約7700件へと増え、2020年には約1万2000件を超えている。
このデータは、大統領のツイッターでの活動を絶えず追跡してきたウェブサイト「トランプ・ツイッター・アーカイブ」によるもの。同サイトでは、今でも大統領のツイートやリツイートを自由に参照できる。
トランプのツイート数は任期前半こそ比較的少なかったものの、2019年からはその使用量が激増。米紙ニューヨーク・タイムズが報じたところによると、トランプが2019年にツイッターでタグ付けされた頻度は毎分1000回ほどだった。
ツイート・リツイートの数が最も多かった日は2020年6月5日で、計200件に及んだ。その前の最高記録は米上院で弾劾裁判が行われていた最中の2020年1月23日で、ツイート・リツイートの数は142件だった。
トランプの任期前半のツイート頻度は1日平均5.7回だったが、後半になると1日34.8件まで増えた。
任期満了までの時間が秒読みとなったトランプは、これからどこに向かうのだろう? トランプからは意見を述べる力が奪われてしまったように思われるかもしれないが、ホワイトハウスの記者会見室を通して声明を出すことはまだ可能だし、大統領は自身のメディア対策チームも持っている。
また、トランプはソーシャルメディアから追放されたことで、自身がそもそもスターに上り詰めるきっかけとなった昔の技術、テレビに戻らざるを得ないかもしれない。しかし、主要なニュース局がツイッターと同様の方針を採用し、大統領の不満について放送することを拒否すれば、米国での議論を思うがままに操るトランプの能力は永久に失われる可能性がある。