英国では2つの打ち上げ施設が建設中
英国では、打ち上げ施設が2ヶ所建設中だ。1ヶ所は英政府が支援しており、スコットランド北部のサザーランド(Sutherland)にある。もう1ヶ所は、シェトランド諸島のアンスト島にあるシェトランド宇宙センター(Shetland Space Centre)で、最近米国の航空宇宙大手であるロッキード・マーチンが支援を表明している。
「我々は柔軟であり、どこからでも打ち上げることができる。シェトランド宇宙センターの方が、軌道最適化を図る上で地理的条件が若干有利だが、どこに決まるか結果を待ちたい」とLevykinは話す。
英国企業では、Skyrora以外にも2社が軌道に打ち上げるロケットを開発中だ。スコットランドのインバネス近くに本拠を置く「オーベックス(Orbex)」は、「プライム(Prime)」ロケットで数年後の軌道到達を目指しており、サザーランドの施設で年間6回の打ち上げを計画している。
リチャード・ブランソンが支援する「ヴァージン・オービット(Virgin Orbit)」も、英国からのロケット打ち上げを目指している。同社は、航空機「コズミック・ガール(Cosmic Girl)にロケットを搭載し、高高度から宇宙に向けて水平発射する計画だ。
英国は、これまで1971年にオーストラリアから打ち上げた「ブラック・アロー(Black Arrow)」ロケットや、軍用ロケットで宇宙空間に到達したことはあるが、商用ロケットで軌道に達したことはない。
Skyroraの直近のテストで、英国は初の商用ロケット打ち上げに一歩近づいた。順調にいけば、来年末までに軌道への打ち上げが開始される見込みだ。
「Skyroraのような企業が、英国をロケット強国にする野心を持って取り組んでいることは、素晴らしいことだ。サードステージの燃焼実験に成功したことで、Skyroraはロケットの打ち上げにまた一歩近づいた」と、英国人宇宙飛行士でSkyroraのアドバイザリー・ボードのメンバーでもあるTim Peakeは、声明の中で述べた。