そんな経験から、もし肌を美しくしたいなら、第一に肌にマイナスになることをしないことが大切です。スキンケアは紫外線や乾燥からガードするなど、ディフェンスから始まります。オフェンシブに美しさを得ようとしても、それを保つにはディフェンスが必要不可欠なのです。
まずは肌が嫌がることや好むことなど、そのクセを知って、正しく対処できるようにしましょう。そして自分を知るために毎日鏡を見て、変化をしっかりキャッチして、足りないものや必要なものを見極め、アジャストすることがとても大切です。
スキンケアは一朝一夕に簡単にはいきませんが、日々の積み重ねだからこそ、そこに好きな香りやテクスチャーなどをプラスすれば、楽しみが重なり、スキンケアが気分をアップする確かなスイッチにもなると思います。
ヘアは軽やかな「ツヤ」が大切に
次に、メーキャップのトレンドを見てみましょう。コロナ禍でマスクの着用が日常となっている現在、表情が半分失われ、感情も読みにくくなっています。そんなこともあり、マスクで隠れない部分、意思を伝える目元メイクの需要がますます伸びているようです。
春の新作アイシャドーは、華やかさと安心感のある色味としてピンクから赤みブラウン、また光を感じさせるイエローやオレンジベージュが、いずれも温もりを持ったモデレートトーンで多く登場します。優しさや心地よさを感じていたいという想いがそこからは読み取れます。
時には、カラーアイラインを目の際にクッキリと入れて、「私の好き」を主張してみるのもいいでしょう。誰かに似せるのではなく、自分らしくいられる、またトキメキを感じることを中心にコスメを選び、メイクする。その時々の自分の気持ちを表すのに相応しい、心と顔が一致したメイクの時代になるのではないかと思っています。
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最後に、ヘアはますます「ツヤ」が大切になるでしょう。肌の大部分が隠れてしまう今、ヘルシーさ、生き生き感を表しているのは、実は髪です。ツヤはそれを一番雄弁に語ってくれるのです。ヘアスタイルに関係なく、軽やかなツヤがあれば、心身ともに健康的な印象になります。
風を感じる軽くスウィングするヘアスタイルの人気が高まってきているので、軽いつけ心地のオイルやツヤ出しスプレーも活躍しそうです。フレグランスも風に乗って広がるものが、芳しい香りとともに、新しい気分を運んでくれそうです。
風の時代の始まりのキーワードを眺めてみて、いかがでしたでしょうか。私は、自分の感覚や気持ちを真ん中にして、「自分力」を上げて力強く人生を楽しもうと、エールを送ってくれているように感じています。
もっともっと自分の「好き」や「心地いい」という感覚を大切にして、従来の方程式に頼りすぎず、その時々自分で考え色や服を選び、肌や髪を整え、新しい毎日を楽しく冒険してみる。そうしているうちに、自然と本来の自分へと再生されて、軽やかに時代を生きていけるのではないでしょうか。
2021年が皆さまにとって健やかでありますように。そしてパワフルな美容の力を活用して、心地良い日々となるよう祈っています。
連載:0.2秒で人の心を掴む「印象力」
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