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ドイツのアンゲラ・メルケル首相(Photo by Andreas Gora - Pool/Getty Images)

米首都ワシントンで起きた暴動に絡み、ツイッターやフェイスブックがドナルド・トランプ大統領のアカウントを使えなくしたことについて、ドイツのアンゲラ・メルケル首相をはじめ欧州の政治指導者から反対の声が相次いでいる。禁止は言論の自由を侵害するものだと批判しつつ、こうした規制は企業ではなく政府が行うべきものだと主張している。

メルケルは11日、ツイッターがトランプのアカウントを永久凍結したのは「非常に問題がある」と報道官を通じてコメントした。言論の自由という基本的権利はソーシャルメディアプラットフォームの経営陣の決定に従ってではなく、法の支配と政府によって判断されるべきものだとの考えを示した。

欧州委員会の域内市場担当委員で、大手テック企業の規制に向けた欧州の取り組みのキーマンであるティエリー・ブルトンも、政治ニュースサイトのポリティコに寄稿した論説のなかで「チェック・アンド・バランスが何もはたらかないところで、CEO(最高経営責任者)がPOTUS(米大統領)の拡声器の栓を引き抜けるという状況には当惑を禁じ得ない」と記している。

ブルトンは、そうした状況は各プラットフォームの力を裏づけるとともに、米政府をはじめ政府によるデジタル領域の規制の不備を浮き彫りにしたとも指摘。現状は「ワイルド・ウエスト(米開拓時代の西部地方)」を彷彿させるとも言及している。

フランスのブリュノ・ルメール経済・財務相は、ツイッターの措置に「衝撃を受けた」といい、「デジタル空間の規制は寡頭支配しているデジタル企業によってなされるべきものではなく(中略)、主権者である国民、政府、司法が行うものである」と語っている。

このほか、英国のマット・ハンコック保健相も、テック企業は「編集に関する決定」も行っているとし、「プラットフォーム上で誰が発言権をもつべきで誰がもつべきでないか」をプラットフォーマー側が選んでいるのは明らかだと述べている。

米国では、表現の規制は企業に任せられていることが多く、各社は通信品位法第230条(セクション230)などでかなりの免責も認められている。欧州は大手テック企業の規制に関して米国とはかなり異なった姿勢をとっており、今回の批判は米国の大手テック勢に対する新たな警告と捉えることもできそうだ。

編集=江戸伸禎

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