「カルマ指標」導入がソーシャルメディアの改善策に?

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フェイスブックなどでは、知人が投稿した内容に対し、自分と相手との関係性や特定のことがらに関する信頼度のレベルに基づいて価値を付加する。一方でツイッターでは、写真やちょっとしたプロフィール情報のみ、あるいはそれもないような赤の他人が投稿したメッセージや情報にアクセスする。

もしツイッターユーザーのプロフィールに、過去の行動に基づくカルマ指標が付加され、そのユーザーが投稿したコンテンツをどれだけ信頼できるかを知ることができたら、どうなるだろうか?

信憑性に応じてニュースのタグ付けをする検証者を使うソーシャルメディアが増えている中、ユーザーの評判の指標を導入するのは容易になっている。そのような指標が、他のユーザーにも公開されたらどうなるだろうか? カルマはゴミのような投稿をすれば低下し、信頼性の高い情報や実績ある情報源からの情報を投稿すると上昇する。過去の行動次第で、投稿したコンテンツに対する他ユーザーからの信頼度は変わってくる。

特に評判の悪いユーザーは、そのコンテンツに接する人々の間に疑念が生じるため、投稿した内容の影響力が減退する。さらに高度なバージョンとして、ネットワーク上における行動だけを基準にし、ユーザーのカルマをトピックごとに分けて、あるトピックについて話す時のカルマは良いものの、別のトピックについて話す時のカルマは悪い、ということもできるかもしれない。

前述の通り、これは新しいアイデアではない。筆者が記事を投稿しているいくつかのサイトは既に、特定のトピックに関する記事に対するユーザーのポジティブな評価に基づき、私をその分野のエキスパートと認定している。それは私のプロフィールに反映されたり、そのサイトが私の記事を共有する範囲に影響したりしている。

学問の世界では、論文が他の著者によってどれほど引用されているかによって信頼性(場合によっては昇進や昇給)を得られる。ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンは、この学術論文の引用数に基づくランキングをまねて、グーグルの検索アルゴリズムの基礎を築いた。

ツイッターのようなソーシャルメディアではこのようなメトリクスがなく、ユーザーの一部は他のユーザーをフォローする際の判断材料として、フォロワー数やプロフィール情報、あるいは写真のみに頼っている。これはとても信用性の高い基準とは言えない。フォロワー数が多いからといって、そのユーザーがおかしな人間でないとは限らないし、そのフォロワーは実際には存在しないかもしれず、ヘイトスピーチを投稿するようなユーザーかもしれない。

カルマのメトリクスは、その人を信頼できるかどうかを知る助けになるだろうか? それを突き詰めれば、ドナルド・トランプのような人がフェイクニュースや偽情報をシェアすることを止められるだろうか?

編集=遠藤宗生

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