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稲木ジョージ x 渡辺直美 特別対談

コロナウイルスの蔓延により世界が日常を失った2020年。リアルでのコミュニケーションが急激に減った一方で、SNSは人と人をつなぎ、コミュニケーションを支える重要なツールとなった。そんななか、インフルエンサーのあり方も変化した、と語る2人がいる。

カリスマ性と明るさで、世界で活躍の場を広げる芸人の渡辺直美と、ミラモアジュエリーCEO&ブランドビジョニアの稲木ジョージ。(*ビジョニア: デザインコンセプト及び全般にわたりブランドの方向性を決定していく役職者)

渡辺はインスタグラムで937万人フォロワーを持ち、言わずと知れた日本のトップインフルエンサーだ。稲木は現職以前は、インフルエンサーを仕掛けるデジタルPRコンサルタントとして、日本にその名を広めた。

2人は親友であり、世界で挑戦する同志でもある。2人ともコロナ禍に日本とアメリカの地で暮らし、その違いや影響を体感してきた。

グローバルな視点を持ち、時代の最先端を走る2人のインフルエンサーにまつわる特別対談をお届けする。前編では、激動の年であった2020年を振り返りながら、インフルエンサーの本質を紐解いていきたい。


発信者として、何ができるか


──コロナ禍で発信を続けてどんな変化を感じましたか。

渡辺直美(以下、渡辺):2020年は、多くの業界の人たちが、壁を乗り越えるのに苦労した年だったと思います。はじめの頃は、みんながそれぞれ必死に乗り越えようと模索していました。特にインフルエンサーたちにとって、コロナショックは、センスが問われた期間だったと言えます。4月と5月に、「インフルエンサーとして」ちゃんと行動をとった人は、非常にクリエイティブな人たちでしたね。

パンデミックが宣言されて以来、はじめは私もコントを生配信しようとしていました。しかしある日、自粛のストレスによって虐待やDVなど、家庭内問題が増えたという報道を目にし、自分が発信するべきことについてしばらく考えました。そこで思いついたのが、「テレビとはまた違う形で、一緒にご飯を食べる」という企画。何かのストレス発散になってくれればいいなと思い、2時間の生配信をすることを決めました。

稲木ジョージ(以下、稲木):渡辺さんのご飯を一緒に食べる企画や、レディー・ガガのMVの完コピ、どれも衝撃的でした。実際、渡辺さんの動画に救われたというコメントをたくさん見かけました。



一方で自分は自粛期間中に、ものすごく滅入りました。流れてくる情報がとにかく多すぎて、一時ソーシャルメディアから離れたほどです。

例えば、ロンドンに住んでいる友人が新型コロナウイルスに感染し、それがニュースになって僕のところまで流れてきました。その時「え、この人は死ぬの?」と、より一層ウイルスの猛威に恐怖を抱きました。コロナウイルスが流行する直前、2月末から3月初旬はパリにいたのですが、ニューヨークに戻るのにも大きな不安があったのを鮮明に覚えています。

また、スーパーには食べ物もトイレットペーパーもない、そんな緊急を煽る情報がネットで溢れていました。インフルエンサーだけでなく、一般人の友達もみんなパニック状態なのが、SNSを通してわかりました。「あ、一旦情報を入れないでおこう」と思い、1週間ほどソーシャルメディアやめました。僕も渡辺さんの動画に元気をもらった人たちの中のひとりです。

渡辺:ファンの子からは、上京したばかりなのに外出ができない、その上知り合いもいなくて孤独だという悩みも聞いていました。生配信を通して救われたという言葉をたくさんいただけて、やってよかったと思います。

文=Ryoseon Bae(Forbes JAPANオフィシャルコラムニスト) 編集=督あかり 写真=Christian Tartarello

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