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人種間の教育格差はなぜ起こるのか(Photo by Unsplash)

縮小の傾向がありつつも、いまだにアメリカには人種間の教育格差が残っています。世界経済フォーラムのアジェンダからご紹介します。


・スタンフォード大学のデータプロジェクトによれば、米国の人種による教育格差は縮小しつつあります。
・しかし、その改善のペースは遅々としていて、不安定で、米国の多くの地域で大きな教育格差依然として見られます。
・新型コロナウイルスの感染拡大は、教育における不平等をさらに拡大させる恐れがあります。

今日の米国における平均的な黒人およびヒスパニック系の学生たちの数学能力は、彼らの親世代の時代より約3年ほど進んでいます。

読解力に関しても約2~3年先を行っています。

これらの科目においては、白人学生のテストの成績も向上していいますが、黒人およびヒスパニック系学生ほどの上昇は見られませんでした。スタンフォード大学の研究によると、これは、すべての学生が良い教育を受けられているかどうかを確認する有用な方法である、人種間の教育格差が米国においては縮小しつつあることを意味しています。

この傾向は、人種間の教育格差の改善が進んでいることを示唆していますが、教育格差の全体像を捉えたものとはいえません。スタンフォード大学は、その改善のペースは遅く、不均一だとしています。

共通テストから見えるもの


スタンフォード大学の教育機会モニタリングプロジェクトでは、9歳、13歳、17歳向けの共通テストの平均スコアを用いて、これらの教育格差を測定しています。

それが可能なのは、全米学力調査における数学と読解力の学力把握に、1970年代から同じテストが用いられているためです。

スタンフォード大
研究者たちが、1970年代にまでさかのぼる歴史を持つ共通テストのスコアを活用して作成した、米国における人種別教育の平等に関するチャート(イメージ: Stanford University)

上のグラフが示すように、1980年代以降、教育格差はすべての年齢グループで、数学と読解力の両方で大きく縮小しました。しかし、それはジェットコースターの起伏の一部のようなものでした。

1980年代終わりから1990年代にかけ、大幅な改善は停滞し、一部には格差が広がったところもありました。それ以来、格差は着実に縮小し、現在は1970年代よりも大幅に小さくなっています。

しかし、これらの格差は依然として「非常に大きい」ものです。実際に、白人と黒人の学生の共通テストの成績の差は、現在、約2年分の教育に相当します。そして、白人とヒスパニック系の学生の違いもほぼ同程度です。

学校の外にある要因


この格差は全米で見られます。人種間の教育格差は、ごく一部、拡大しているところもありますが、ほとんどの州で縮小しています。しかし、全米の学校区規模上位100のほぼすべてで、白人と黒人の学生の間には未だ大きな教育格差が存在します。

スタンフォード
米国の学校区規模上位100のほぼすべてで見られる、人種間の大きな教育格差(イメージ: Stanford University)

では、なぜこのような格差が生まれるのでしょうか?

文=David Elliott, Senior Writer, Formative Content

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