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2021.01.12 12:00

台湾TSMCが過去最高売上、5Gとリモートワーク拡大が追い風に

Costfoto/Barcroft Media via Getty Images

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世界最大の半導体受託生産企業(ファウンドリー)として知られる「TSMC(台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング)」は、5Gスマホやノートパソコン需要の高まりを受けて、2020年の売上高が過去最高を記録したと発表した。

億万長者のモリス・チャンが設立したTSMCは1月8日、2020年の売上高が前年比25.2%増の1兆3400億台湾ドル(約478億ドル)に達したと発表した。TSMCの株価は過去1年間で82%以上急騰し、11日には史上最高値の584台湾ドルを記録した。

台北のカウンターポイント・リサーチのアナリストBrady Wangは「2020年にTSMCは5Gスマホや、高性能コンピュータ向けの需要の恩恵を受けた。一方で、競合他社は先進的プロセスでTSMCに遅れをとっている」と述べた。

同じく台北本拠の調査会社トレンドフォースのアナリストTseng Guan-weiは、「アップルはTSMCの主要顧客であり続け、今後も同社のチップを利用し続けることになる」と述べた。

TSMCは昨年、5ナノメートルのチップの量産を開始した。このチップは、高性能コンピューティングに最適だと同社は述べており、スーパーコンピューターなどのマシンにも利用可能とされている。

同じく台北にあるMarket & Intelligence Consulting InstituteのアナリストLiu Wenによると、AMDはこの分野でのシェアをTSMCに奪われたという。新型コロナウイルスの感染拡大にを受けて、ノートPCやタブレットなどに使用されるTSMC製チップの需要が高まったと、Liuは分析した。

トレンドフォースが1月6日に開示したデータによると、2020年のノートPCの出荷台数は初めて2億台を超え、前年比で過去最大の22.5%の伸びを記録したという。背景には、世界的なパンデミックにより、在宅勤務を行う人々の需要が急増したことがあげられる。

携帯端末やPCなどのチップ生産を手がけるTSMCの業績は、テック業界の先行指標として知られている。台湾ではロックダウンが行われなかったため、パンデミックの間も生産が続いていた。

インテルはチップ製造の一部を外注するため、TSMCとサムスンと協議中であると報じられている。ブルームバーグの記事によると、TSMCは、4ナノメートルプロセスで製造されたチップをインテルに納入可能という。

TSMCはまた、2021年末までに新竹科学園区(竹科)の宝山地区の新工場を稼働させ、インテル向けのチップを生産しようとしている。

TSMCの広報担当者によると、同社は2021年後半には3ナノメートルプロセスを始動させる計画という。3ナノのプロセスは4ナノよりも高度な半導体を意味し、このチップを採用するデバイスは消費電力を抑えつつ、素早いレスポンスを実現する。

編集=上田裕資

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