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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで市場が暴落するのを阻止するため、米議会と連邦準備制度理事会(FRB)の双方が前例のない規模の資金投入を行った結果、2020年の株価は高値を更新した。しかし、モルガン・スタンレーの専門家たちは気を揉んでいる。

パンデミックが収束した場合、市場にだぶついていた現金と、これまで抑えられていた需要による予期せぬ影響で、2021年に市場がだしぬけに急落する可能性があるというのだ。

モルガン・スタンレーのアナリストたちは2021年1月4日付けの書簡で、2021年の市場を襲う最大の驚きは、「FRBを含む多くの予測を超えたインフレ率の上昇」になるかもしれないと述べた。そして、FRBがパンデミック中に投じた巨額資金は、コロナ危機が残した穴を埋めるだけでなく、「史上最速の経済回復につながる新たな支出を生んでいる」と主張している。

FRBは、およそ1兆ドルの準備金を投じて国債を買い戻し、市場を現金であふれさせた。そうした状況になると、通常はインフレになりやすい。モルガン・スタンレーの警告によると、パンデミックが収束し、これまで抑えられていた消費者需要に応じるべく各社が奔走するようになると、こうした動きが価格の上昇を招く可能性がある。

株式市場内に目を向けると、インフレのリスクが最大になるのは、パンデミックで「ダメージを受けた」業界と、「2021年に需要が急増する事態に備えていない」業界だとアナリストは述べている。飲食業や旅行業、そのほかの消費者ならびにビジネス関連企業は、コロナ後に押し寄せる需要に対応できない場合、価格を引き上げざるを得なくなる場合があるという。

中期的に見た際の最良のインフレ・ヘッジは、株式とコモディティ、投資銀行債券だ。しかしインフレは、長期債券にとって「弱点」となる可能性がある。こうしたことは最終的に、「調整が不意に起きた場合にはすべての株式に」対して短期的なマイナスの影響を与えるだろう。

最後にモルガン・スタンレーは、S&P 500企業について、利益に照らしたバリュエーションのヘアカット率は平均18%になると見込んでいる。ただし、米国債10年物の利回りが、現在の市場ファンダメンタルズに応じて再調整された場合のことだ。こうした上昇は「起こりそうもない」が、完全に除外すべきではないとアナリストは言う。

一方、金融リサーチ企業バイタル・ナレッジの創業者アダム・クリサフリは、FRBと米政府による資金の供給によって、S&P500企業のバリュエーション・マルチプルは16%も押し上げられたと見ている。これは、昨年のS&P上昇率14%を上回っている。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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