キャリア・教育

2021.01.15 19:00

仕事がどうしても必要な場合 交渉をするコツは?

ONOKY - Eric Audras / Getty Images

私は先日、次のような質問を受けた。

「弱い立場にいるときは、どのようにすれば交渉できるでしょうか? 私は内定を必ずしも断る気があるわけではないのですが、自分にとって最善の条件を確保したいとも考えていて、相手につけ込まれたくありません」(デービッド)

仕事を探しているときは自分から雇ってくれるよう頼む立場にあり、雇用主が「はい」と言うことを望んでいる。そのため、自分が弱い立場に置かれているように感じるかもしれない。履歴書を送付したり面接の知らせを待ったり、面接を受けて内定を待ったりしているからだ。現在失業中で、仕事が本当に必要な場合、自分には交渉の強みになるものがなく、もらえる仕事は承諾すべきだと感じてしまうかもしれない。

しかし、交渉は必ずすべきだ。意識しているかどうかは別にして、求職活動では内定だけでなく全ての段階で交渉が行われている。最初の応募(期待する給与額を聞かれるはずだ)から数回の面接まで、全ての段階であなたの会社にとっての価値やキャリアの優先事項が確立される。さらに、雇用主は求職者が交渉を行うことを予想している。うまく交渉すれば、相手はあなたにより敬意を持ってくれるはずだ。

交渉について不安な場合はここに挙げる5つのことを心に留めておけば、その仕事が本当に必要なときでも自信を持って交渉できるはずだ。

1. 相手はあなたの状況を知らない


どのような交渉でも、相手側がどのような状況にあるか(優先事項や制約、不安など)を完全に理解している人はいない。内定に「ノー」と言えない、あるいは言わないだろうと感じていたとしても、雇用主側はそれを確実に理解しているわけではない。自分の不安が雇用主に見えると思い込まないこと。

また、求職活動を通して自分の交渉における強みを強化し、不安を緩和することもできる。競合する内定があることは、交渉で使用できる強みの一つでしかない。交渉中の内定と同時期に他社から内定をもらっていなかったとしても心配しないこと。内定に近いことや複数の手掛かりがあることも、他の潜在的な選択肢を示すため、交渉の強みになる。活用できる強力な人脈を持っておくことも(それがたとえ正社員の仕事が得られるまでのつなぎとしての契約社員の仕事を得るためだったとしても)、交渉の強みの一つだ。

2. 雇用主側も、あなたが内定を断れば損をする


自分にはどうしてもその仕事が必要だと感じているかもしれない。しかし雇用主も同様に、どうしても誰かを採用する必要があることを覚えておくこと。社員を増やすには金がかかるし、採用と入社プロセスには時間がかかる。採用プロセスにより、人は通常業務に集中できなくなる。雇用主の方も(この仕事を務めるあなたのような人材など)、このプロセスから得られる本当に必要なものがなければこのようなことはしないだろう。
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翻訳・編集=出田静

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