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2021.01.11 20:00

「自信のなさ」はどこからくるのか 迷いを減らす仕事との向き合い方

Takorn Jungsithichort/EyeEm/Getty Images

Takorn Jungsithichort/EyeEm/Getty Images

あのときの自分の判断は正しかったのだろうか、もっといい方法があったのではないか──。仕事や人生における決断は難しいものだ。しかし、くよくよと過去を検証したり、一度決めたことをいつまでも迷ったりしていては、自分への信頼も自信も失う一方だ。

どうやったら、迷いを減らし、自信を得ることができるのか。その考え方のヒントを、曹洞宗 特雄山建巧寺の住職・枡野俊明氏の著書「心配事の9割は起こらない 減らす、手放す、忘れる──禅の教え」(三笠書房)から一部抜粋して紹介する。


精いっぱいを尽くす意欲こそが「存在感」を生む


みなさんは、いまの仕事に“本気”で取り組んでいますか。そして、仕事が“楽しい”、毎日が“楽しい”と感じているでしょうか。

もとより、データなどを取ったわけではありませんから、想像する以外にないのですが、おそらく、かなりの数の人が「そうでもない」と答えるのではないか、と思います。

若い世代の人たちを見ていると、仕事に就いても「なんだか、自分に合っていないみたい」「やりたい仕事とは違う気がする」といったことだけで、すぐに見切りをつけてしまう、簡単に放り出してしまう、という傾向にあるような気がします。

「石の上にも三年」という諺もあるように、昔は、なにをやるにしても“辛抱”がついてまわるもの、という自覚と覚悟を誰しもが持っていました。ところが、いまやその言葉もほとんど死語になっている。隔世の感という思いがしますね。

生きている実感にも乏しい。これも現代人に共通するものでしょう。強引であることを承知でいってしまえば、仕事も人生も、なにもかもが「つまらない」という感覚が広く蔓延しているのが、この世代の特徴といえるのではないでしょうか。

つまらないから、不平不満を抱くようになるし、悩みのタネにもなる。ここで自分の心に問いかけてみてください。

どんな仕事なら本気で取り組めるのか、どう生きたら自分が輝いて楽しいと感じることができるのか──?

答えは出ましたか?たしかなことは、ひとつしかありません。本気で取り組める仕事がどこかからもたらされるわけではない、ということです。待っていれば楽しい人生といつか出合えるわけではありません。

そう、「いま」就いている仕事に“本気”になるしかない。生きている「いま」を楽しむしかないのです。

そうするためのヒントは、「大地黄金(だいちおうごん)」という禅語にあります。たとえそれがどこであれ、いまいるところ、自分が置かれている場所で精いっぱい尽くす。すると、その場所が黄金のように輝いてくると、この禅語は説いています。

光り輝く黄金の大地があるのではありません。そこにいるあなたが大地を黄金にするのです。自分にはあっていないように感じても、やりたいことと違っていても、「いま」「そこ」で就いている仕事が「あなたの仕事」なのです。
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