軽井沢移住で作家デビューができたワケ

安本由佳さん

本稿では、今後のワーケーションの可能性を、昔の軽井沢移住者とはライフスタイルの考え方が全く異なる最近移住された方々にインタビューし、将来のリゾートテレワーク・ワーケーションを予測していく。

第4回は、5年前に軽井沢に移住され新たな職業につかれた安本由佳さんに、移住されて変化したライフスタイルについてインタビューした。(第1回第2回第3回はこちら)


鈴木幹一(以下、鈴木):安本さんは、どのような経緯で軽井沢に移住されたのですか?

安本由佳(以下、安本):夫とともに軽井沢に遊びにきた際、別荘地をドライブして、まるで絵本の中の景色みたいで感動して「ここに住みたい!」と思ったのがきっかけです。

鈴木:絵本の中の景色っていい表現ですね。移住されて5年との事ですが、ライススタイル、価値観、人的ネットワークなどこの5年間で大きく変化したことは何ですか

安本:この5年間でライススタイル全体が激変したと言っても良いと思います。例えば、どこに行くにも車で(東京に行く時以外)ヒールをはかなくなったこと。野菜やきのこや果物の種類に詳しくなり、素材が美味しいので料理がシンプルになりました。

また、家が心地よいので家にいる時間が増えたことや、年齢やバックグラウンドの違う友人ができたこと、虫や寒さにも慣れたり野生動物を見ると心がほっこりしたり……自然と共存している感覚が出てきたことなど、挙げるとキリがないほど多くの変化があります。

また、軽井沢は住宅一つとっても自分の趣味嗜好を貫く人が多いですし、個性豊かな方が多く毎日がとても刺激的です。

そして何といっても一番大きく変わったことは、新しく執筆業を始めたことです。軽井沢は四季が濃く自然豊かで感受性が深まる場所です。昔から文豪や芸術家などが集まっていた場所。こんな素敵な場所にいると、自然と創作的なアイデアが湧き出て来ます。


安本さん、自宅のガーデンにて

鈴木:軽井沢に来られてから執筆業をされたとはすばらしいですね。具体的にどのような分野を執筆されているんですか?

安本:軽井沢移住してから、東京カレンダーWEBのライターにスカウトされ、およそ4年間WEB小説を書いていました。2020年の初めに東京カレンダーは辞めて、現在は講談社mi-mollet、小学館Oggi web等で小説およびコラムを連載。また、西武プロパティーズ 千ヶ滝別荘地HPで、軽井沢暮らしに関するコラムも連載しています。2020年10月には講談社文庫より「不機嫌な婚活」で作家デビューも実現することができました。
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文=鈴木幹一

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