世界有数の観光リゾート地での正月は、どのようなものだったか。現地のワクチン接種状況とあわせて、ハワイ在住の筆者が紹介する。
11月、12月は、前年の約3割まで回復
1年中温暖な気候のハワイでは、年間を通して訪問客の数が絶えることはない。特に11月下旬のサンクスギビングデーや12月のクリスマスの週末はアメリカ本土から訪れる人が増え、日本の冬休み期間になると日本人訪問客が一気に増えるのが通例だ。
しかも年末年始は、寒い日本を抜け出し新年をハワイで過ごしたいと思う人が各段に増えるせいか、芸能人が数多くハワイを訪れる。そしてその姿を芸能レポーターがハワイの空港で待ち構えるのが、正月の風物詩のひとつになっている。では、今回の年末年始のハワイは、どうだったか。
ハワイでは2020年10月15日から、出発の72時間前までに新型コロナウイルス感染症の検査を受けて陰性なら、ハワイ到着時の自己隔離が免除される「ハワイ州事前検査プログラム」を導入した。これを機に、航空会社はハワイ行きの運航を開始・増便し、現地のホテルや飲食店、小売店、観光関連ビジネスが、少しずつだが再開へ向けて動き始めた。
ハワイ州政府発表のハワイ到着者数を見ると、2020年11月は22万6417 人、12月は28万123人。前年比でそれぞれ、74%減、73%減となる。この数にはハワイ在住者も含まれるが、訪問客が前年の3割程度まで回復してきているようだ。筆者の肌感覚としても、それまでは閑散としていた観光地やビーチに、訪問客の姿が見られるようになり、活気が戻ってきたことを実感している。
現地のビジネスとしては依然として厳しいものの、日本の観光業界以上に大打撃を受けたハワイでは、これでも明るいニュースのひとつと言えるのかもしれない。
では、日本からどのくらいの人がハワイを訪れたのだろうか。日本は「ハワイ州事前検査プログラム」の対象国となり、11月から日本の訪問客の受け入れが始まった。日本国内にあるハワイ州指定の検査機関は、北海道から九州まで全84か所になり、ハワイでは年末年始の旅行シーズンに向けて、できる限りの施策を講じてきたとみられる。