米国スタートアップ、日本法人立ち上げへの誘い
「米国の決済系スタートアップStripeを受けてみないか? 日本法人の初期メンバーにならないか?」
留学前、グリーで一緒に働いていた知人からの突然の誘い。
「クビにされなければ最低5年間くらいはマイクロソフトにいると思う」と返答した。だが、何度か話すうち「こんなに面白い機会はまたと無いのでは」と心境に変化があった。
今では世界14の事業拠点で2500名以上の従業員を抱え、同社の決済プラットフォームを導入しているのは数百万社とも言われているStripe。しかし、お誘いをもらった時点のStripeのサービスは、日本ではパブリックベータ版で正式ローンチ前。まさに「日本でのビジネスをこれから作っていく」というフェーズだ。
日本法人の初期メンバーでビジネスの成長を自分たちの手で実現する。環境はインターナショナル。ユーザーのメインターゲットがソフトウェア開発者。マイクロソフトで担当したのがソフトウェア開発者向けのマーケティングだったために親和性も非常に高い。
ワクワクする気持ちが自然と湧き出るのを感じながら、今マイクロソフトを辞めるのが本当に良い選択なのかと葛藤した。マイクロソフトの待遇はもちろん申し分ないし、入社して間もない。経歴を見るとただのジョブホッパーに見えてしまうのではないかという懸念もどこかにあった。
しかもその時、妻は妊娠していた。
「子育てしながらスタートアップで働けるのか」
その一方で、「日本ビジネスの立ち上げにチャレンジしたい」......そんな狭間で揺れ動いていた私に妻が言った。
「あなたが楽しく仕事をした方が、私と生まれてくる子どものためにも良いに決まってる」
腹は決まった。私は、日本法人5人目のメンバーとしてStripeへ入社した。