試練続きのMBA留学、日本マイクロソフト勤務を経て米国スタートアップに転職をした私の道程

MBA留学中の徳永康彦氏


サンダーバード国際経営大学院のMBAプログラムの特徴の一つに、グループアサインメントがある。これは各授業グループでのレポート提出が必須というもの。入学当初は先生が生徒のバックグラウンドを考慮しチームを選ぶが、その後は徐々に自由チームとなっていく。

つまり、評判の悪い人はグループに入るのが難しくなる。

チームに貢献できること、一緒に働いていて気持ちいい人物であることを示さなければ、残り者同士でチームを作ることになる。それは避けたい。

書いた英文がほぼすべて書き直されることすらあった私だが、Excel作業は誰よりも早かった。Excelワークショップを開くなど、自分の持つノウハウや情報を他人に共有することで存在価値を高めていこうと決めた。

プログラムを楽しむ余裕などなく、ただ食らいついていた、はじめの数か月。自分は何ができる人間かを短時間で証明し、チームでアウトプットを出す経験は気づけば私の血肉となっていた。

あっという間に2年という月日は流れた。

はじめての海外長期生活。辛かった日々にも徐々に慣れ、プログラムを完遂できた。夏休みを利用し、サマーインターンとしてアマゾンジャパン合同会社でマーケティングを経験したり、奇兵隊というスタートアップで経験できたことも成長につながったと思う。

日本で生活をしていたら絶対に出会わなかったであろう、多様なバックグラウンドをもつ友人ができた。ありのままの事実や違いを受け入れるマインドも身についた。

濃密な留学経験は、武者修行としてビジネスで戦える力をつけた以上に、根底から自分を変える経験となったのは間違いない。

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卒業式。各国から1人選出されるflag bear、日本代表となりスピーチをした

留学後に選んだ道は、日本マイクロソフトでのマーケティング職


アメリカに残るか、日本に戻るか。アメリカのある企業と日本マイクロソフトからオファーをいただき、後者を選んだ。

開発者やIT Pro向けのマーケティング(デベロッパーエバンジェリズム)というポジションでの採用。マーケティングを経験したかった私にはまたとないチャンスだった。

さらにマイクロソフトはSatya Nadellaが2014年CEOに就任してから、クラウドへビジネスを完全にシフトしていた大変革期、エキサイティングな環境が私を待っていた。

隙のないマネジメントシステム、グローバルブランディングからオペレーション、組織や人事制度も素晴らしい仕組み。同僚たちも尊敬ができるメンバーが揃っていた。

私が所属していたエバンジェリズムチームはプレゼン集団。その道のプロ、人を惹くプレゼンスキルの高い人ばかりだ。

私はイベントマーケティングを主に担当し、ハッカソンなどの企画・実施、デジタル施策なども担当し興奮の日々を送っていた。

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文=徳永康彦

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