米当局、ワクチンによるアレルギー発症は「極めて稀」と宣言

Joe Raedle / by Getty Images

米国疾病予防管理センター(CDC)は1月6日、ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチンを初期段階で接種した人々のうち、アレルギー反応の中で特に重いアナフィラキシー症状を発症した患者の割合が、100万人あたり約11人だったと発表した。

この数字は、インフルエンザワクチンの場合の約10倍だが、それでも「極めて稀なケースに留まっている」とCDCは述べた。

重度のアレルギー反応を示した人のほとんどは、食品や医薬品、昆虫との接触などでアレルギー症状を経験したことがある人だったが、大多数は過去にアナフィラキシーを発症した経験がなかったという。

アレルギーを発症した人の約71%はワクチンの接種後15分以内に発症し、大多数はエピネフリンを注射され、4人が入院したが、死者は発生していないという。

CDCはアレルギー反応に関する調査を続けており、6日までの数値を合計すると、ファイザーとモデルナの2社のコロナワクチンに絡むアナフィラキシーの発症数は合計29件で、発症率は100万人当たり5.5人に低下すると述べた。

「100万人に11人の割合で、発症が見られたものの、このワクチンは非常に安全だ」と、CDCのNancy Messonnier博士は6日、記者団に語った。

CDCよると、ファイザーとモデルナが開発したワクチンを接種した米国人の数は6日時点で、530万人に達している。これまでに全米に配布されたワクチンの数は、約1730万人分とされている。

当局は接種のスピードを上げようとしているが、一部の医療従事者はワクチンが安全で効果的であるという強い証拠があるにもかかわらず、ワクチンの接種を拒否していると報道されている。

ファイザーとモデルナのコロナワクチンは、臨床試験ではほとんど副作用が見られなかったが、ファイザーのワクチンが承認された直後に、米国と英国で数人の患者が重篤なアレルギー反応を報告した。

これを受けて米国の公衆衛生当局は、アレルギーの既往歴のある患者には、接種前に医療機関に相談するよう奨励しており、規制当局は予防接種センターに対して、注射後少なくとも15分間は患者を観察するよう指示している。

編集=上田裕資

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