事前に予測するのは難しい。しかし、ウォール街の分析会社CFRAの最新リポートによれば、1月末まで待てるなら、どちらへ向かうかに関して、かなり信頼性の高い指標が手に入るだろう。
CFRAのリポートによれば、1月中にS&P500が上昇した場合、市場は通年で平均15.9%上昇する。逆に1月に市場が下落した場合、通年で平均2.2%下落する。これは、1945年以降の47年間の市場リターンのデータを分析した結果だ。
信頼性の高い市場指標:1年の動向は1月で決まる
だが、さらに重要な知らせがある。1月に市場が上昇した場合、1年のうち9割近く(87%)の期間で上昇が見られた。一方、1月に市場が下落した場合、通年で上昇が見られた期間は52%にすぎなかった。
アナリストが1年のこの時期に注目する指標はほかにもあるが、いわゆる「1月バロメーター」ほど信頼性の高いものはない。そのうちのひとつが「最初の5日間」指標だ。1年の最初の5取引日のあいだに市場が上昇した場合、S&Pは1年のうち82%で上昇し、平均上昇率は12.5%だった。一方、最初の5日間に下落した場合、市場が上昇したのは1年のうち56%だけだった。
「サンタクロース・ラリー」指標もあるが、信頼性は劣る
「サンタクロース・ラリー」と呼ばれる指標もあるが、これは1月バロメーターほど信頼できるものではない。この指標は、前年最後の5取引日と、新年最初の2取引日を合わせた期間のリターンに注目している。この期間にS&P500が上昇すると、1年のうち74%で市場が上昇し、平均で10%上昇する。
1945年以降を見ると、サンタクロース期間(年末最後の5取引日と年始最初の2取引日)中に市場が下落した場合、1年のうち28%しか市場は上昇しなかった。
ここから何が言えるだろう? 2021年の株式投資に価値があるかどうか知りたいなら、1月のあいだは様子を見よう。この期間に市場が上昇するなら、投資を続ける。最初の1カ月で下がるようなら、株式投資の比率を下げよう。そうすれば、資産を増やせる見込みは大きくなるだろう。