2020年を象徴する商品:トイレットペーパー
誰もが買い置きを確保できず、どうにかして手に入れようと走り回ったものがある。そう、トイレットペーパーだ!
全米で巻き起こった買い占め騒動の象徴であり、2020年の最もホットな商品である。2枚重ねであろうが、竹パルプ製だろうが、ドナルド・トランプの似顔絵が印刷されていようが、トイレットペーパーは突如、あらゆる店頭で売り切れが続出した。米調査会社ニールセンによれば、売上は22%も増加したという。2020年ならではの出来事だった。
2020年に最も注目された新しい企業:セラシオ
セラシオ(Thrasio)は、アマゾンのマーケットプレイスで商品を販売するサードパーティー事業者(独立系小売業者)を急ピッチで買収しており、他社がそれに追随している。
セラシオは、マサチューセッツ州ウォルポールを拠点としており、カルロス・キャッシュマン(Carlos Cashman)とジョシュア・シルバースタイン(Joshua Silberstein)という連続起業家たちが率いている。アマゾンのサードパーティー事業者を買収する企業のなかでは最大で、傘下に置いた企業がアマゾンで販売する個別アイテム数は1万個に上る。
同社は2020年7月、評価額10億ドルで2億6000万ドルの資金を調達した。米国では最速でユニコーンを達成した黒字企業だと自称している。
2020年を代表する破壊的イノベーション:ライブコマース
ライブ配信型ネットショッピングを意味するライブコマースは、中国ではすでに大成功をおさめており、米国でも次なる一大トレンドとなる可能性がある。モバイル時代のQVC(24時間放送のTVショッピングチャンネル)と称されることも多い。
米ファッションブランドのトミー・ヒルフィガーや、ジーンズブランド「リーバイス」のリーバイ・ストラウス、化粧品のエスティローダーなどが、ライブ配信によるオンラインセールスを実施し、商品を披露したり、消費者の質問に答えたり、注文を受け付けたりしている。
フェイスブックやインスタグラム、TikTokは、ライブコマースアプリを提供するスタートアップ「Popshop Live」(VC企業ベンチマークが支援)や、「ShopShops」(VC企業フォアランナー・ベンチャーズ、ユニオン・スクウェア・ベンチャーズが支援)としのぎを削っている。ネット広告の業界団体「Interactive Advertising Bureau(IAB)」は、ライブコマースが生み出す売上は2021年に世界全体で倍増し、1200億ドルに達すると予測している。