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2021.01.08

ウォーレン・バフェットがビットコインに手を出さない3つの理由

ウォーレン・バフェット(Getty Images)

2021年1月3日、ビットコインが3万4000ドルまで急騰した。それでもウォーレン・バフェットは、ビットコインには決して手を出さないだろう。それはなぜだろうか。

バフェットとビットコイン


世界最大の暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格は、2020年末から年明け1月3日までの5日間で、およそ23%上昇した。ビットコインの投資家や投機家にとっては嬉しいニュースだ。

しかし、ウォーレン・バフェットにとってはまったく無意味な知らせである。というのも、バフェットはこれまでビットコインについて「殺鼠剤の2乗のようなもの」等とコメントしており(バークシャー・ハサウェイの副会長が2014年にビットコインを「殺鼠剤のようなもの」とコメントし、その後に価格が急上昇したのを受けて「2乗」と表現した)、自分は決して買わないと公言してきたからだ。

ビットコインがおよそ1万ドルで取引されていた2020年2月には、CNBCに対し、「私は暗号資産を一切所有していないし、今後も所有することはないだろう」と述べている。

ビットコインがどれほど高騰しようとも、バフェットが決して買わないのはなぜだろうか。その理由を3つ説明しよう。

理由その1 ビットコインには裏付けとなる価値がない


ビットコインには裏付けとなる価値がないとバフェットは考えている。彼はバリュー投資家であり、購入するのは、市場で過小評価されていて、安定的かつ継続的なキャッシュフローを生み出し、純資産を増やす力がある企業の株式だ。

バフェットに言わせれば、ビットコインは収益も配当も生まない。それどころか、ビットコインの価値は、人がそれに対して支払ってもかまわないと考える金額によって決まる。

この点について言えば、ビットコインは、1637年に起きたチューリップ・バブル(オランダのチューリップが人気となり、球根の価格が異常に高騰、そのあと下落した世界初の経済バブル現象)と何ら変わりがない。ということで、ビットコインには本質的な価値がないとバフェットは考えている。

あなたはビットコインを購入すべきか:すでにビットコインを所有している人や、所有しようと考えている人に聞きたい。あなたは、ビットコインへの投資を裏づける根拠を説明できるだろうか。ビットコインには価値があると考えていようといまいと、自分の判断を裏付ける明確な根拠が必要だ。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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