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2021.01.08

ウォーレン・バフェットがビットコインに手を出さない3つの理由

ウォーレン・バフェット(Getty Images)


理由その2 バフェットは、自分が理解できる事業にしか投資しない


「自分が理解できるビジネスにのみ投資する」ことは当然だと思うかもしれない。しかし、個人投資家を中心に、驚くほど多くの投資家が、報道や知人から仕入れた株式情報をもとに投資先を決めている。

彼らは事前にリサーチやデューデリジェンスを行わず、「話題のテクノロジー」と聞いただけであっさりとその株式を購入する。あるいは、株価が20%上昇したと聞くと、そこからさらに20%上昇するだろうと、何も検討せずに決めつける。

株価は時おり、さまざまなことが要因となって上昇するし、こうした「戦略」が奏功することもある。しかしその戦略は、時間の経過とともにうまくいかなくなっていくだろう。また、ポートフォリオ全てについてうまくいくわけでもない。一方、バフェットは、一連の投資原則に従って株式を選んでいる。

彼が好んで投資するのは、コカ・コーラのような安定した消費財企業や、アメリカン・エキスプレスのような金融サービス企業だ。投資を検討する企業が自身の専門分野外である場合は、まったくないわけではないが、ほとんど手を出さない。ときとして例外はあっても、ほとんどの場合は、自分が理解できるセクターやビジネスモデルに限って投資をしている。

あなたはビットコインを購入すべきか:あなたには一連の投資原則があるだろうか。それとも、情報を見聞きしただけで、独自にリサーチもせず買っているのだろうか。

いつもの自分の投資基準に当てはまらない場合にはビットコインを所有できないのかというと、そんなことはない。ただし、ポートフォリオ戦略を検討するときには、自分が保有するポジションのすべてについて、その根拠を理解しておくべきだ(さらに、完全には理解できていない可能性のあるポジションを購入するならば、その余裕があるかについても確認しよう)。

理由その3 ビットコインはきわめて投機的な投資だから


ビットコインが、人生で最大の投資になっている人もいるだろう。あるいは、ビットコインはいずれ弾けて無に帰すバブルだととらえる人もいる。

バフェットは、ビットコイン市場で賭けに打って出たりはしない。彼は投機家ではないからだ。むしろ、エコノミック・モート(経済的な掘:参入障壁のこと)が幅広く、競争優位性を持つ企業に投資する。

投資には、ある程度の投機はつきものだが、バフェットはもともと保険とリスク緩和が専門だ。「人気のもの」に投資しないのは、自分のゲームではないからだ。バフェットがプレイするのは、「買ったら恒久的に保有する」ゲームだ。彼は、時とともに着々と継続成長していく企業に投資している。

あなたはビットコインを購入すべきか:投機的と思われる投資に手を出す際に役立つアドバイスを提供しよう。投機的な投資の利点は言うまでもなく、儲けが大きいことだ。しかし、筆者が2019年8月に出版した『The Lemonade Life』でも述べたように、利点ではなく欠点のほうに注目しよう。

あなたは、所有するビットコインの価値がゼロになっても困らないだろうか。注ぎ込んだお金を全額失う羽目になってもいい、と言いきれるだろうか。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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