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2021.01.06

映画の違法ダウンロード、ネット公開主流化で再び盛んに?

Phil Barker/Future Publishing via Getty Images


業界はどのような対応を取るだろうか? 新作の『ワンダーウーマン1984』を映画館とストリーミングで同時公開したワーナー・ブラザースの決定は、自分の作品は映画館の大画面向けに制作したものだと主張する映画の作り手から批判を呼んだ。だがこうした情緒的とも言える反論は置いておいても、私はある疑問を持っている。約10年前の教訓を受けて、映画スタジオ大手の方針は変わっただろうか? 今後も劇場とストリーミングでの同時公開は続くのだろうか? 違法ダウンロードサイトとその利用者は取り締まりを受けることになるのだろうか? それとも、映画スタジオはネットフリックスのような企業にならい、もっと計画的で合理的な措置に出るのだろうか?

実のところ、問題は違法ダウンロードという行為にあるわけではない。コンテンツの提供側が需要に応えられず、新たな配給チャンネルが必要となったことが根本原因にある。音楽の違法ダウンロードは、サイトの閉鎖や利用者に対する法的措置では止められなかったが、スポティファイの登場によって衰退した。映画の違法ダウンロードは、ネットフリックスの登場により幕を閉じた。コンテンツにお金を一切かけようとしないユーザーは常に一定数おり、無料でのコンテンツ入手を実現するテクノロジーも常に存在する。業界の役割は、人々を追い詰めたり脅したりすることではない。人々に対する啓蒙活動や、市場へ適応させる支援をすべきだ。つまり、サービスの利用を促すような提案をする必要がある。

問題は、業界が過去から何かを学んだかどうかだ。

編集=遠藤宗生

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