I study technology disruption in individuals, companies and societies.

Phil Barker/Future Publishing via Getty Images

映画『ワンダーウーマン1984』は度重なる延期の末、昨年12月25日に米国の劇場と動画配信サービスのHBOマックスで同時公開された。同週末の興行収入は業界の予想を上回り、新型コロナウイルスの流行下で公開された作品としては最高となる1670万ドル(約17億円)を記録した。

同作はまた、違法ダウンロードサイトでも大きな人気を集めた。ピアツーピアのサイトでは公開翌日、同作の動画のトレントとストリーミングによるダウンロードが全体の1割を占めるという前代未聞の状況が生じた。「スクリーナー」と呼ばれる審査用DVDのコピーが出回った時代とは違い、HBOマックスを通じて家にいながら簡単に高品質のコピーを作成できることから、インターネット上には直ちにコピー動画が大量に出回った。

自宅で新作映画を公開と同時に楽しめるというサービスは、多くの視聴者を引き付けたかもしれないが、それは同時に違法ダウンロードを容易にすることも意味する。とはいえ、しばらく前に起きた「ダウンロード戦争」以降、状況は改善した。サブスクリプション制のストリーミングサービスの登場により、アルゴリズムを使用した作品のお勧めシステムを通じて大量のエンターテインメント作品を簡単かつ安価に楽しめるようになり、結果として違法ダウンロードは大幅に減った。

昨年は、新型コロナウイルスの流行に伴う外出制限により人々が自宅で過ごす時間が増えたため、ストリーミングサービスの需要が急増した。米国では契約数が50%増加し、ネットフリックスを筆頭に、1世帯当たりのストリーミングのサブスク契約数の平均は前年の2.7から3.1へと増加した。もちろん、これには上限がある。市場に参入するプレーヤーが増えるにつれて、違法ダウンロードも盛んになるかもしれない。

サブスクの契約料に加え、新作映画に追加料金を科すという仕組みにより、多くの人がダウンロードサイトやストリーミングサイトをまた利用し始めたようだ。だがこうしたサイトは大きく姿を変え、かつては非営利のコンテンツだったものが、現在では広告やスパイウエア、マルウエアを満載したサイトと化している。

編集=遠藤宗生

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