中国の「水の巨人」と呼ばれる66歳のZhongの保有資産は現在、921億ドル(約9兆4570億円)に達しており、フォーブスの世界の富豪ランキングでビル・ゲイツ(4位)やマーク・ザッカーバーグ(5位)に次ぐ、世界6位の富豪となっている。
昨年9月に香港市場に上場した農夫山泉の株価は、4カ月間で約3倍に膨らんだ。目論見書によると、鍾は同社の株式の84.4%を保有しており、彼の妻と親族らが6.2%を保有している。その他の出資者は63人で、同社の従業員とコンサルタントらが合計6%を保有している。
農夫山泉は、全株式のうち14%を一般に公開していると述べているが、実際の浮動株式比率は、わずか3.5%程度と試算できる。香港市場への上場にあたっては、発行済株主資本の25%以上を市場で流通させるというルールがあるが、同社はこの基準を免除されたと述べている。
Zhongは先月、インドの富豪ムケシュ・アンバニを抜いて、アジアで最も裕福な人物になっていた。アンバニの保有資産は現在760億ドルで、フォーブスのリアルタイム・ビリオネアランキングで10位につけている。
Zhongは、中国の文化大革命の時代に小学校を中退し、建設作業員や新聞記者などを経て、1996年に故郷の杭州で農夫山泉の前身となる会社を設立した。農夫山泉は、ミネラルウォーター以外に、お茶やジュースなどの清涼飲料水も販売している。
Zhong はまた、新型コロナウイルスを含む伝染病の診断薬を開発するヘルスケア企業のBeijing Wantai Biologicalの支配株主でもある。同社は2020年4月に上海市場に上場し、株価は上場以降に2500%の上昇となっている。
中国の新たな富豪としては、格安Eコマースの「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」創業者のコリン・ファン(黄峥)も知られている。グーグルの元エンジニアのファンは、2018年7月に同社をナスダック市場に上場させ、現在の保有資産は660億ドルに達している。
ファンは現在、中国で2位の富豪であり、彼の資産は3位のジャック・マーを上回っている。