ペイパルの共同創業者として知られるマックス・レヴチンが、クレジットカードを持たない人々向けに設立したAffirmの評価額は、80億ドル(約8200億円)から92億ドルに及ぶことになる。
同社の後払いサービスはShopifyなどのECプラットフォームに対応し、フィットネスのペロトン(Peloton)が販売する2000ドルの在宅フィットネスのマシンも後払いで購入可能だ。
パンデミック後のEコマース分野の活況に後押しされ、後払いサービスの需要も急激に高まっている。Affirmの米国での利用者数は2019年11月から2020年7月にかけて2倍に拡大し、560万人に到達した。
2012年設立のAffirmの企業価値は、2020年9月の資金調達の際に約50億ドルとされていた。
後払いサービスはフィンテック分野で「POSファイナンス」とも呼ばれている。ここで言うPOSはポイント・オブ・セールの略で、消費者は商品の購入時点で融資を申し込み、その場で融資を受けて、分割払いや後払いで支払いを行うことになる。
この分野は競争が激化しておりAfterpayやKlarna(クラーナ)、ペイパルらがそれぞれ、数百万人規模のユーザーを抱えている。創業5年のメルボルン本拠のAfterpayは、2016年にオーストラリア証券取引所に上場を果たし、時価総額は260億ドルに達している。
スウェーデンの後払いサービス企業Klarnaの企業価値は先日、107億ドルとされていた。
関係筋によるとAffirmは、早ければ来週にも上場する予定という。Affirmの主な出資元としてはピーター・ティールのFounders Fundや、シンガポールの政府投資公社(GIC)、スパークキャピタルやフィデリティ、ベイリーギフォードなどが挙げられる。