今年注目の「宇宙関連イベント」、トム・クルーズは地球外撮影へ

トム・クルーズ(Photo credit should read Marco Ravagli/Barcroft Media via Getty Images)


ボーイングの有人宇宙船の打ち上げ


2020年には、スペースXが有人宇宙船「クルードラゴン(Crew Dragon)」を2度打ち上げた。スペースXと同じく、NASAの商業乗員輸送プログラムのもとで開発されたボーイングの有人宇宙船「スターライナー(Starliner)」も打ち上げられる予定だったが、2019年12月に行ったテスト飛行で機体に問題が見つかったため、打ち上げは延期された。

近い将来、ボーイングが2度目のテスト飛行を実施し、結果が良ければ、来年後半にはスターライナーの初となる打ち上げを見ることができるかもしれない。

スペースXの新たな有人宇宙飛行


スペースXは3回目のミッション「Crew-2」を2021年3月に実施する予定だ。搭乗するのは、NASAのShane KimbroughとMegan McArthurのほか、日本人宇宙飛行士の星出彰彦、ESAのThomas Pesquetだ。

スペースXは、10月に「Crew-3」ミッションを予定しており、ほかにもトム・クルーズの宇宙ロケのための商用輸送を行う計画だ。

月面探査ミッション


2021年には、いくつかの月面探査ミッションが計画されている。7月には、アストロボティック(Astrobotic)のランダー「Peregrine」が死の湖(Lacus Mortis)と呼ばれるエリアに着陸する予定だ。

インテュイティブ・マシンズ(Intuitive Machines)も、2021年夏にランダー「Nova-C」を月面に送る予定だ。さらに、2021年中にインドが月面探査ミッション「チャンドラヤーン3」を打ち上げるかもしれない。2019年に打ち上げた「チャンドラヤーン2」では、ランダー「ビクラム(Vikram)」が月面に墜落しており、今度が2回目の挑戦となる。

ルーシーの打ち上げ


2021年10月16日以降に、NASAの新型宇宙船「ルーシー」が木星トロヤ群小惑星を探査するため打ち上げられる予定だ。ルーシーは、12 年をかけて6 個の小惑星を探査する。トロヤ群小惑星を探査するのは、このプロジェクトが初となる。

これらの小惑星は、木星と同じ公転軌道上にある。これまで、トロヤ群小惑星についてはあまりよくわかっていなかったが、今回の探査で新たな事実が判明することが期待される。

その他の計画


NASAの探査機「OSIRIS-Rex」が2021年3月に小惑星ベンヌを出発する。2023年に地球に戻り、採取した大量のサンプルを持ち帰る予定だ。

同じく3月には、小惑星アポフィス(Apophis)が地球から1690万キロの距離を通過する。この小惑星は2029年に地球から3万1000キロに最接近するが、その後は昼間の空へ移動して見えなくなるとされている。

7月には、NASAが「DART(Double Asteroid Redirection)」の打ち上げを行う。このミッションでは、小惑星が地球に衝突することを避けるため、宇宙船を衝突させて軌道を変えるための予行演習が実施される。

同じく7月には、NASAの探査機「ジュノ―」が木星でのミッションを終える予定だが、木星の衛星を探査するため、ミッションが延長される可能性もある。

2021年中に、ESAの「Solar Orbiter」や「BepiColombo」、NASAの「Parker Solar Probe」など、いくつかの探査機が金星を通過する予定だ。

中国は、宇宙ステーション「天宮3号(Tiangong 3)」のコアモジュールである「天和(Tianhe)」を、来年中に打ち上げる予定だ。NASAは、地球近傍小惑星探査機「ニア・スカウト(NEA Scout)」を2021年後半に打ち上げ、小惑星「1991 VG」の近くを飛行する予定だ。

編集=上田裕資

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