コロナに伴う会議疲れ、世界的な現象に ハーバード大調査結果

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ハーバード・ビジネス・スクールが実施した大規模な調査から、人々が現在、長時間にわたりビデオ会議やビデオ通話を行うことで、燃え尽き症候群(バーンアウト)に陥ったり、生産性を著しく損なったりしていることが明らかになった。

調査は『Collaborating During Coronavirus: The Impact of COVID-19 on the Nature of Work(コロナ禍のコラボレーション 新型コロナウイルスが仕事の本質に与える影響)』と題され、世界各国の企業2万1000社以上の従業員300万人以上のメールやビデオ会議の招待を分析したもの。コロナ流行下で最も増えたのは会議の件数(12.9%増)や参加者(13.5%増)だった。

会議の時間は大幅に短くなっているが、これはビデオ会議では集中力が長続きしない事実を反映していると思われる。会議時間は全体的に減ったものの、会議やその他の確認・連絡が頻度に行われることで、悪影響が出ているようだ。

調査を実施した研究者の一人、ハーバード・ビジネス・スクールのラファエラ・サドゥンは「四六時中ズームをしていたり、やりとりをしていたりといった感覚がある。正直、これはとても疲れる」と述べている。

・良いコミュニケーションのバランスを見つける

頻繁なコミュニケーションはチームのまとまりを作る上で重要だ。ただし注意すべきなのは、量と質を混同しないことだ。部下が大きなプロジェクトに取り掛かっている最中だったり、単独でも生産性が非常に高いようにみえたりする場合は、上司としては介入せず、自由に仕事ができるようにするべきだ。

リーダーには、部下の心の状態を読める力が必要だ。新型コロナウイルスの流行下では、部下の会議疲れを汲み取れるようにしなければいけない。自分のチームがズームにうんざりしていると感じたら、丸一日あるいは午後だけ会議のない日をつくるとよい。正式な会議ではなく、5分間の簡単な打ち合わせを試してみよう。こうすることで、ちょっとした交流や互いの顔を見る機会が生まれる一方で、仕事の流れを妨げることにはならない。
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編集=遠藤宗生

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