これまでハリウッドの大手映画会社「ドリームワークス」本社での販売にも成功し、クライアントにはビバリーヒルズの最高級宝石店などが名を連ねる。TikTokアカウントのフォロワーは18万人。昨年対比売上20倍の成長を誇り、アメリカでも大変注目されている和菓子のD2Cスタートアップである。
このスタートアップを率いるのが三木アリッサだ。Forbes JAPANの「地球で輝く女性100人(2018年)」に最年少で選ばれた若き起業家である。
1992年NY生まれ。早稲田大学在学中には、プリザードフラワー専門ブランド立ち上げに参画し、楽天ナンバーワンブランドに成長させた。その後も、日本酒ベンチャーで新ブランドの立ち上げや、藤巻百貨店の新規事業立ち上げなどに寄与。さらに、イスラエルの専門商社にも勤務し、過去最高の売り上げを半年で達成した。
2019年MISAKY.TOKYOを共同創業し、現在ロサンゼルスで起業家として活躍している。そんな躍進を続けるために、三木は一体何を捨ててきたのか。詳しく話を聞いた。
アメリカと日本の違いは、どこにでも落ちている「チャンス」
私はロサンゼルスで、和菓子のD2Cスタートアップを創業しました。よく「どうしてたった1年で急成長できたのか?」「どのようなやり方でアメリカでも広がっているのか?」と質問されますが、一番は飛び込み営業だと思っています。
臆することなく、どこでも飛び込んでいく。ここアメリカは日本よりもどこにどんなチャンスが落ちているのかわからないと感じています。実際に偶然のつながりとご縁で、キム・カーダシアンのフレグランスブランド「KKW Fragrance」と「MISAKY.TOKYO」が展開する和菓子D2Cのコラボ企画が生まれたんです。
だから、仮説を立てつつ、失敗を重ねながら、愚直に飛び込んでいく。その際、「臆すること」「気後れすること」などのネガティブな感情は捨て去ることが重要なのかもしれません。
映画祭のレッドカーペットにて: 写真はコロナ前のもの
日本人が思っている「海外が好きそうな日本」の固定観念を捨てる
海外で開催されている展示会に行ったりすると、日本のブースで「富士山」や「芸者」のイメージを前面に出していることってありますよね。そんな固定観念の「日本」を押しつける手法からは、そろそろ卒業する必要がああるのではないかと思っていました。
なぜなら、海外の「日本好き」も、毎回見る「富士山」や「芸者」という同じコミュニケーションで飽きていますし、そもそも日本に興味がない方には最初から刺さっていないからです。
パターン化した「日本人が思う”海外の人が好きそうな日本”」を推すのではなく、新しい日本らしさがないものか……。そこで気が付いたのは、日本の「おもてなし」でした。