ビジネス

2021.01.09 11:00

嫌われる勇気を持つ。グローバルで活躍する三木アリッサの「捨てる」極意とは


私たちは、もともと白黒はっきりさせないコミュニケーションを好み、想像力でお客様が求めている言語化できない部分まで寄り添うことができます。

この原点に帰ろうと思いました…。

ここアメリカは、世界中から移民が集まる国です。それにもかかわらず、母国の味は案外この地で手に入れることはできません。そこで、私たちは、和菓子に世界中の食文化を入れ、様々な国から集まるお客様一人ひとりが、どこか懐かしさを感じられるようにしました。すると、食べたお客様から感動の声が寄せられるようになりました。

理想概念を捨てたら身軽になって人間関係の輪が広がった


もともと私はNYで生まれ、その後、日本に戻ってきた帰国子女です。日本で過ごした学生時代、私は世間が持つ「帰国子女のイメージ」に合わせて無理してテンションの高い自分を演じるようなことが多かった気がします。ただ、それに対し、なんとなく違和感を持っていました。

また、日本って「〜しなければならない」っていう感情が多く存在しませんか。

たとえば、女性として、可愛くなければならない、料理はできなければならない、気立てが良くておしとやかでなければならない、子供を産まないといけない、仕事も頑張らないといいけないと、さまざまな「〜しなければならない」があるわけです。私はそうした「自分が描く理想像」や「他人が求めている私の像」を切り捨てることにしました。

そうしたら、これまでモヤモヤとした長いトンネルの中にいたような、自らを縛り苦しめるものから解放され、自然の姿に戻ることができました。

そうすると何が起こったか。他者をも許し、信頼するという寛容的な心が生まれたんです。今まで必死に生きていたから、心にゆとりがなかったのでしょうね。今では人間関係も良くなり、ひいては仕事も順調に推移するというプラスの相乗効果が出て来たんです。

大切なのは他人の目じゃない。物事の本質を見極めるのは自分です。そのための審美眼を養い、自分の心に従って時には嫌われる勇気を持つこと、それが自身を最も「楽」にも楽しむことにもさせることにつながるんです。

また、自分自身のことを全員が理解してくれるわけじゃない。自分らしくいればいるほど、理解してくれる人の割合は下がるかもしれません。しかし、その理解してもらえない8割の人を心の中で切り捨てた時に、世界がグッと広がったんです。

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LAの食ブランドの登竜門、ファーマーズマーケットでの様子:写真はコロナ前のもの

捨てた概念の先にそびえ立つ未来の姿


私の今後の目標は、「ルイ・ヴィトングループ」のようなラグジュアリーな総合ブランドを立上げ、日本の歴史に根付いた、素晴らしい職人さんたちの活躍の場を世界に造ることです。

日本人には、より一層我が国の文化を誇り、自信を持ってもらいたい。そんな日本になるためのお手伝いを微力ながらさせていただきたいと思っています。

そして、もうひとつ。私のような若者の行動や活動・活躍を皆が応援しくれるようなポジティブな社会の仕組みを構築してもらいたい。それが結果的に、社会を元気にすることにもつながると思います。

文=賀陽輝代 編集=谷本有香

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