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2021.01.04 16:30

コロナ禍で躍進の「ペロトン」、フィットネス機器大手を買収


プリコーは、ペロトンの世界進出についても貢献する可能性がある。ワシントン州シアトル広域圏に本拠を置くプリコーの商圏は100カ国以上に広がり、南北アメリカ大陸、ヨーロッパ、中東、アジアに拠点を構える。対照的に、ニューヨークを本社とするペロトンは、2020年6月30日の時点で95カ所のショールームを構えるが、その立地は米国、カナダ、英国、ドイツに限られている。さらにペロトンによると、今回の買収により、プリコーで研究開発に携わってきた100人近くの従業員が、ペロトンの研究開発チームに加わるという。

ペロトンの株価は12月22日、12%上昇して161ドルとなった。創業から8年になる同社は、2019年9月に新規株式公開(IPO)を果たしたが、その時の株価は29ドルだった。当時と比べて、実に5倍以上の株価上昇を果たしたことになる。

コーウェンのブラックレッジはペロトンについて、「一般消費者とエンタープライズの両面で広範な飛躍のチャンス」があると指摘。ペロトンは、「サービス提供および対応可能な市場」のうち約7%のシェアしか確保していない点にも触れた。

新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの人々が自宅での生活を続けるなか、最も安価な機種でも1900ドルするエクササイズ用バイクを販売するペロトンは、ワークアウトを自宅で行うトレンドの恩恵を受けている。最新決算によると、同社の第1四半期(9月30日締め)売上は7億5790万ドルと、前年同期比で3倍以上に跳ね上がった。

ペロトンの登録メンバー数は、この四半期末の時点で360万人を数えている。「コネクテッド・フィットネス・サービス」契約者数も2倍以上伸び、130万人に達した。契約すると、同世帯のユーザーが、ライブ配信やオンデマンドでのエクササイズレッスンすべてに無制限でアクセスできるものだ。

急成長を遂げるペロトンは、アパレルやシューズといった分野でも新製品を発表している。こうしたことから、今後はアスレジャー・フィットネスというトレンドから恩恵を受けているナイキやルルレモンといった企業との競争が激化する可能性もある。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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