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2021.01.04

「逃げ恥」で家事代行サービスに追い風? 男手限定「ナギサさん」派遣も

(写真提供:ベアーズ)


前述のドラマの家政夫ナギサさんも、紳士的な人柄とハイクオリティな家事の手腕が魅力。男性家事代行サービスに拒否反応を示していたメイも、絶大な信頼をおくようになった。

『私の家政夫ナギサさん』ドラマ放映後の影響についてベアーズでは、家事代行利用に対する心理的ハードルが軽減したのではないかと考えているそう。

ドラマ放映後の利用者の男女比は通常と大きく差がみられなかった。一方、今まで30~40代の共働きや子育て中の利用者が大きな割合を占めていたのに対し、30代のシングルやDINKsからの問い合わせが増えつつあるという。

withコロナでさらに多様化するライフスタイルと家事代行ができること


2020年はコロナウイルス感染拡大防止により、ライフスタイルに大きな変化が生じた。外出自粛やリモートワークによって家で過ごす時間が増えた結果、ベアーズへの問い合わせには次のような影響がみられた。

「家事ストレスの増加がみられるようで、宣言解除からは問い合わせが増加し、昨年と比較して150%近くの月もありました」

コロナ過のベアーズへの問い合わせでは、キッズ&ベビーシッターや料理代行の依頼が増加し、好評を得ているそうだ。感染予防・衛生管理の要望もあり、除菌や買い物代行の依頼も増えているという。

ベアーズの家事代行サービスの利用者の内訳をさらに詳しく教えてもらった。

共働き家庭の利用が約50%

シングル、シニア、専業主婦家庭の利用はそれぞれ15%前後

問い合わせの男女比はおよそ3:7

マッスルベアーズの利用者に関しても女性からの依頼が大半ではあるものの、シニア男性の利用もみられるそうだ。年齢による筋力や体力の衰えで、男性といえど力仕事がままならないこともあるだろう。「思うように家事ができない」という悩みごとは、同性の方が頼りやすい。


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また、人気が高い依頼は掃除サービス。その他、買い物や洗濯、アイロンがけ、布団干し、食器洗い、ゴミ出し、ボタン付け、上履き洗い、靴磨き、片付けなどにも対応している。ライフスタイルが多様化している昨今、コストコへの買い物代行、片付け後の不要品のフリマアプリへの出品代行、イケアの家具の組み立て、WiFi接続などにも対応可能だ。

変化が著しい社会のなかで、自分らしく生きたい、自由な時間を楽しみたいという悩みを抱えている人は多い。家事代行は、単純に家事作業を代わりに行うだけではなく、人生のサポートも担うサービスとしてこれからもニーズが高まっていくかもしれない。


上沼祐樹◎編集者、メディアプロデューサー。KADOKAWAでの雑誌編集をはじめ、ミクシィでニュース編集、朝日新聞本社メディアラボで新規事業などに関わる。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科を修了(MBA)し、大学で編集学について教えることも。フットサル関西施設選手権でベスト5(2000年)、サッカー大阪府総合大会で茨木市選抜として優勝(2016年)。

文=上沼祐樹 編集=石井節子

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