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I study technology disruption in individuals, companies and societies.

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2020年は、ネットフリックスのもつ驚異的な力について考えるのにうってつけの年だった。真の意味で史上初のグローバルなテレビチャンネルと言えるネットフリックスは、世界全体でおよそ1億6700万人の会員数を擁し、1世帯あたりの会員数で見ればはるかに広いリーチを誇り、パスワードを友人や家族と共有している会員を考慮に入れればそのリーチはさらに広がる。

米国では新型コロナウイルスのパンデミック前の時点で、ネットフリックスの会員の総視聴時間は1億時間を超えており、国民のテレビ視聴時間の1割を占めていた。また、誰でも知っているような作品もすでに生まれていた。

そして今年、わたしたちはロックダウンによってほとんどの時間を自宅で過ごすことになり、ネットフリックスざんまいになった。ネットフリックスは顕著な数字を記録し、会員は2020年1〜3月期に1577万人、4〜6月期に1009万人それぞれ前期から増えたほか、株価は60%上がり、時価総額は2350億ドル(約24兆3000億円)近くに膨らんだ。

ただ、こうした数字を超えて、ネットフリックスはひとつの文化現象にもなってきている。

2018年、筆者は、ネットフリックスの番組に登場した俳優はソーシャルメディアで人気が高まる傾向にあり、ネットフリックスは新世代のグローバルアイコンを生み出す工場になっているという記事を読んでうならされた。

今年はさらに、「クイーンズ・ギャンビット」の成功でチェスへの関心が高まり、「ラストダンス」の影響でマイケル・ジョーダンのネット検索数が急増したようだ。また、「監視資本主義」の配信開始後は、ソーシャルネットワークにまつわる問題についての議論や検索が増えたとされる。

今や中国、北朝鮮、クリミア、シリアを除く世界各国・地域で視聴でき、世界の通信量の約15%を消費し、みずから文化現象になっているネットフリックスは、もはや価値をつけるのすら難しい。

編集=江戸伸禎

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