医学と公衆衛生分野を革新した、米先住民の7つの習慣

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4. 日焼け止め

北米の先住民は、2500種類を超える植物に対して医療面での用途を定めている。しかもこれは、現時点で存在している習慣から知られているものだけだ。

先住民の文化の多くは数百年の間、すりつぶした植物を水と混ぜ合わせて皮膚に塗布することで肌を太陽から守っていた。ひまわり油や、ウォールフラワー(学名はErysimum)、アロエの樹液などは全て、肌を太陽から保護するために使用されていたと記録されている。また、動物の脂肪や魚の油を日焼け止めとした例も有名だ。

5. 哺乳瓶

現代の基準では衛生的(あるいは安全)と考えられないだろうが、イロコイ・インディアンのセネカ族などの部族は米大陸に入植者が流入する前から、乳児に食べ物を与えるために活用する瓶を作っていた。

この発明には、熊の内臓と鳥の大きな羽が使用された。熊の腸を洗浄・乾燥させ油を塗布した後、空洞のある羽を乳首として取り付け、すりつぶした木の実と肉、水を混ぜた飲み物を乳児に吸わせて栄養補給していたのだ。

6. 口内洗浄液と口腔衛生

米大陸全土の部族が、歯の洗浄のためにさまざまな植物を使っていた。また米大陸の先住民は、新たにやって来た欧州人よりも効果的な歯の手入れ方法を実践していたと言われている。

一部の地域では、オウレンと呼ばれる植物(英語ではゴールドスレッドと呼ばれ、学名はCoptis)を使って口内を洗浄するための洗浄液を作っていたことが知られていた。多くの先住民文化では、オウレンを歯茎に直接こすりつけて、歯生期の乳児や歯の感染症の痛み止めとして使用していた。

7. 座薬

痔(じ)は現代だけの問題ではない。痔に伴う痛みや不快感も同じだ。しかし、現代の解決策と食生活の改善が唱えられる前に、米大陸全土の先住民はハナミズキの木から座薬を作り出していた。ハナミズキは現在でも(頻繁にではないものの)外傷に使われている。しかし米先住民は数百年前に、ハナミズキから作った小さな詰め物を湿らせて押し固め、挿入することで痔の治療を行っていた。

私たちは、安全や健康を維持する上で公衆衛生や医療がどのような役割を果たしているかを考えずに毎日を送りがちだが、今の生活を実現してくれた素晴らしい革新や発明を認識せず、こうしたものを当たり前と考えてしまうことはさらにありがちなことだ。

こうした昔からの習慣の衛生面を向上し、改善を重ねて現代の慣習へと完成させたものもあれば、祖先のしていたこととそれほど変わらないものもある。米先住民の治療師らは、病気の効果的な治療法や、物質を作り出すための土地と資源の活用方法を理解していたのだ。

技術により進化が進み、未来へと歩みを進める中、私たちは今でも歴史に根差しているのだということを忘れないようにしよう。

翻訳・編集=出田静

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