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ハンバーガーチェーン「ベアバーガー(Bareburger)」のCMO(最高マーケティング責任者)である29歳のナビール・アーラムギール(Nabeel Alamgir)は、移民としてアメリカにやってきて皿洗いからキャリアをスタートした。

現在29歳のアーラムギールは、バングラデシュで生まれ、15歳のときにクウェートからニューヨークのクイーンズに移住した。英語は、マーティン・スコセッシ監督のマフィア映画を見て覚えたという。彼は、通っていた高校のすぐ隣にあったベアバーガーで皿洗いをして家計を支えた。

それから10年後、アーラムギールは年商1億ドルを超え、3ヶ国で事業を展開するベアバーガーのCMOに就任した。同社は、植物由来の代替肉を使った「ビヨンド・バーガー(Beyond Burger)」を初めて販売したことでも知られる。

「私はベアバーガーでの成功を捨て、Lunchbox.ioを立ち上げた」と話す彼は、レストランを支援するSaaS型のフードテック企業を昨年設立した。

フォーブスが発表した2021年版「30アンダー30」のエンタープライズテック部門には、アーラムギールを筆頭に、社会に大きな変化を起こした若手のイノベーターが名を連ねる。

「グラブハブやウーバーイーツなどのマーケットプレイスは、高い手数料を徴収してレストランの利益を圧迫している。私は、レストラン業界をこうした状況から救いたかった」とアーラムギールは話す。

Lunchboxは、レストランが外部のデリバリー注文アプリに依存せずに済むよう、独自の注文システムを構築するサービスを提供している。新型コロナウイルスのパンデミックでデリバリーサービスに対するニーズが高まる中、Lunchboxは、レストランの事業継続を手助けしている。同社は最近、シリーズAラウンドで2000万ドル(約21億円)を調達したことを公表した。今後は、小規模なレストランが自前で注文システムを開発できるサービスを提供する予定だという。

AIの人種的偏見と戦う24歳


24歳のデボラ・ラジ(Deborah Raji)も自身のミッションに基づいた事業を展開している。今年6月、アマゾンは警察への顔認識技術の提供を1年間停止すると発表した。同社の顔認識技術に対しては、人種差別的であるとして批判が高まっており、70人以上のAI研究者が抗議の書簡に署名している。アマゾンは、IBMやマイクロソフトに続いて、顔認識技術を規制する法整備の必要性を訴えている。

ラジは、シリコンバレーで顔認識技術の使用禁止を求める声が高まるきっかけを作った1人だ。彼女は、30アンダー30に選出されたことのあるJoy Buolamwini が設立したAlgorithmic Justice Leagueで、初めてのインターンとして勤務した経歴を持つ。

ラジとBuolamwiniは、アマゾンの顔認識技術「Amazon Rekognition」の監査を主導し、白人男性に比べて肌の色が濃い女性の認識精度が著しく低いことを明らかにした。彼女は、機械学習システムを開発する上で用いる、より精緻なドキュメンテーションや監査手法のフレームワークを構築した。これは、グーグルやIBM、マイクロソフト、米国立標準技術研究所、ACLU(アメリカ自由人権協会)の活動に多大な影響を及ぼしている。

ラジはナイジェリアで生まれ、4歳のときにカナダに移住した。彼女が目指すのは、テクノロジー業界全体が、より多様性を尊重するようになることだ。彼女は社会支援活動「Project Include」の共同創設者であり、グレーター・トロント・エリアやエクアドルの貧困地域に住む中学生向けに、夏のプログラミング集中学習講座を無料で提供している。

編集=上田裕資

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