報告書によると、アマゾンの配送物から出るプラごみの大半は、エアークッションや気泡シートなどの緩衝材が占めている。こうしたプラスチック製梱包余品は近年、急速に利用が広がった。
オセアナの推定では、アマゾンは2019年だけで約70億個の荷物を発送し、使用したエアークッションをつなげると地球を500回巻ける長さになるという。オセアナはアマゾンについて、グローバル事業を拡大していくなかでプラスチック・フットプリントも増大する方向にあると指摘している。
アマゾンはフォーブスの取材に対し、オセアナはアマゾンのプラスチック使用量の計算を「著しく誤って」おり、350%以上過大に見積もっていると反論。実際の使用量は報告書で推定されている量の4分の1ほどにとどまると主張している。
オセアナはアマゾンの利用者5000人あまりの調査も実施し、うち86%がプラスチック汚染を懸念していると回答したことも明らかにした。
報告書では、アマゾンがインド事業で使い捨てプラスチックの排除を決めたことに言及しながら、アマゾンが今後、プラスチックによる環境への影響を軽減できる一連の措置も提示している。
オセアナのシニアバイスプレジデント、マット・リトルジョンは「アマゾンが生み出しているプラスチックごみの量は膨大で、おそろしいほどのペースで増えている」と指摘。調査ではその大半がリサイクルではなく、埋立地や焼却炉、海や川などの自然環境行きになっていることがわかったと説明した。
そのうえで、アマゾンに対して、今こそ利用者の声に耳を傾け、プラスチック・フットプリントの削減に向けて実効的な取り組みをするよう求めた。