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そのほか、アフリカと中東の各国では、どちらのテストも十分な信頼度を得られないことが分かった。著者らは今後について、こうした地域に適した新たな調査方法を検討する必要があるとの考え方を示している。

幸福度テストの結果と「政策」


幸福度の計測に欠陥をもたらすのは、文化的な違いだけではない。米パデュー大学経済学部のティモシー・ボンド准教授とボストン大学経済学部のケビン・ラング教授は昨年、政治経済ジャーナル(Journal of Political Economy)に発表した研究結果で、次のように指摘している。

「人々の感じる幸福は、本質的に主観的なものだ。そのため、自分の幸福を評価するよう求める調査には常に、欠陥があるといえる」
また、ボンド教授は過去のインタビューでこう語っている。

「幸福についての研究では通常、被験者に自らの幸福度をランク付けしてもらう。そのランクは、“あまり幸せではない”、“まあまあ幸せ”、“非常に幸せ”の3つしかない場合もある」

「だが、まあまあ幸せと答えた全員が、同じように幸せを感じているわけではない」

各国が意思決定や政策の策定において、幸福度に関するデータを採用するようになったのは、10年ほど前からだ。だが、多くの専門家が指摘するとおり、人間の感情という曖昧で複雑なものを意思決定に採用することは、惨事を招く行動といえるかもしれない。

編集=木内涼子

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