患者はさらに、基本の歯周病検診と、椅子に座ったままおこなわれるHbA1c検査(2~3カ月間の平均血糖値を測定する)を受けた。その結果、診断精度は96%に向上した。
この研究によると、2型糖尿病と歯周病を併発している患者は、糖尿病の合併症を早期に発症するリスクが高まる。これは、歯周病は炎症性疾患であり、全身の炎症が悪化してインスリン抵抗性が促進されることで、血糖値制御の機能が低下する可能性があるためだ。
DiabetRisk研究の研究責任者である、マドリード・コンプルテンセ大学のダビド・エレラ(David Herrera)教授は、「歯周病と糖尿病の関係を考えれば、歯科医院は、代謝疾患である糖尿病の早期発見に最適な場所だ。我々の研究はそれを裏付けた」と述べた。
さらに、エレラはこう付け加えた。「定期的にかかりつけ医を受診する患者は多くはないが、定期的に歯科医院に通う人は人口のうちかなりの割合にのぼる。そのため、健康全般を促進する強い味方として、歯科医院の役割を強化することも重要であるという考えは広く受け入れられている」