ナイキのスニーカー

ミシガン州デトロイトに本拠を置くリセール専門のオンライン・マーケットプレイスであるStockXは、これまでの約5年にわたり、米国とヨーロッパを席巻してきたが、このほどついにその事業エリアを太平洋の向こう側にまで拡大した。アジア初となる鑑定センターを香港に設置したのだ。

鑑定センターはこれまで、ジョージア州アトランタやオランダのアイントホーフェンなど8カ所にあったが、香港のセンターは9つ目となる。

StockXの鑑定センターは、売り手と買い手を結ぶ中核拠点であり、同プラットフォームで販売されるすべての商品を仲介者として鑑定する。このような鑑定センターが設けられる背景には、高級スニーカーやストリートウエアは取引される量が非常に多く、偽物をつかまされるリスクがあるという事情が挙げられる。

なみいるマーケットプレイスの中でも最大級の規模と成長のスピードを誇るStockXは、スニーカーだけでなく、アパレルやアクセサリー、コレクティブルズ(玩具、トレーディングカードなどの収集品)、家電製品など、合計11万5000点以上の取り扱い商品リストを誇っており、200カ国からアクセスしてくる月間数百万人のユーザーにサービスを提供している。

StockXでは、超限定モデルの「ナイキ・ダンク・ローSB“パリ”(Nike Dunk SB Low Paris)」が5万1950ドル、シュプリームとルイ・ヴィトンのコラボレーションによる特注品のトランクが7万1ドルで落札されるなど、数々の高額商品の販売実績もある。

2020年6月には、2016年のサービス開始以来の取引総額(GMV)が25億ドルを突破した。

スニーカーリセール市場は、2030年までに全世界で300億ドル規模に達するとの予測もある成長産業だ。StockXも順調に業績を伸ばしており、香港およびシリコンバレーの投資ラウンドでユニコーン企業(評価額10億ドル以上)の評価を得ている。

2019年に実施された前回のシリーズCラウンドでは、DSTグローバル、ジェネラル・アトランティック、GGVキャピタルが資金調達を主導した。調達した資金は、同社のヨーロッパおよびアジアにおける世界展開を後押しする役割を果たしている。

さらなる成長のため、同社は取り扱う商品カテゴリーをさらに多様化させるとともに、世界各国の主要市場に物理的な拠点を設置することで、オフラインでのリーチを拡大した。

StockXはほかにも、DJのスティーヴ・アオキや、スーパーモデルのカーリー・クロス、ラッパーのエミネムなど、多くの有名人が投資したことでも知られている。

2020年9月には、創業者の1人であるジョシュ・ルーバーが、自身のスタートアップ事業立ち上げのため、同社を去った。StockXは2019年6月に、イーベイやスタブハブで幹部を務めた実績を持つスコット・カトラーを最高経営責任者(CEO)として迎えていた。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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