「一緒に歩きたいバッグ」を3つ選ぶ
バッグは、コートと並んで「憧れ」の象徴です。私も無類のバッグ好き。旅行先では、掘り出し物のようなバッグについ手が伸びてしまいます。
いい買い物ができたのは、去年の大分の物産展にて。漆を塗った紙で作ったバッグを買ったのです。大ぶりで古い帯地がぐるりと張ってあり、存在感は威風堂々。持っているとみんながほしがる、オブジェのようなバッグです。
バッグはまた「所有欲」の象徴でもあります。いろいろなモノを入れて持ち運ぶ。中身を含めて自分のモノにしたい。これは愛というより所有だとつくづく感じます。
悲しいのは、たとえ逸品のブランドバッグでも、クローゼットの奥に無造作に突っ込まれていること。店先では神々しく光を浴びてきらめいていたバッグが、モノが詰まりきったクローゼットで、また新しいながら、みすぼらしい姿をさらしている……。こんな様子を限りなく目撃しているのです。
モノの量と空間のアンバランス。モノの質と空間の質の食いちがい。モノの豊かさと空間の貧しさ。
憧れの象徴、愛と所有の象徴であるからこそ、大切なバッグを生き返らせてほしいものです。
バッグの中身を全部出してみる
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数年前、ある雑誌で「バッグの中身」のお悩み相談を受けたことがあります。読者さんのバッグのお悩みは、モノはパンパンに詰め込まれ、いつもバッグが重たくなってしまうこと。
それは単に、モノの重量だけの重さなのでしょうか。次のような問いかけを自分にしてみるのもおもしろいでしょう。
生まれたばかりの3キロの赤ちゃんと、コンクリートの塊3キロと、どちらが重たいか?
数字での重さは確かに同じです。でも、そのちがいは誰もが感じるでしょう。
生まれたての小さな命──その身体のあまりの軽さにはおののくほど。コンクリートの塊──それを手に持つ意味を見出すことがなければ、どれだけの負担となってのしかかってくるか。
バッグだって同じです。持っていかないと心配、ないと不安。そう思って詰め込まれたモノが中身を占めていたら、バッグはどんどん重くなるはず。
できるなら持つモノは、安心と希望を映しだすモノだけにしたい。そうすれば、バッグはずいぶん軽やかになるのではないでしょうか。
私の習慣は、帰宅したらバッグの中身をすべて出すこと。こうして俯瞰してみると。持ちものの総点検ができます。
そして、空っぽになったバッグは「1日おつかれさま」と休ませる、新しい「気」を充填(じゅうてん)させるのです。
>第3回に続く
今こそ断捨離 始める前の心構え|1日5分からの断捨離 第1回
なりたい自分になる クローゼットの見直し|1日5分からの断捨離 第2回
仕事机を「思考の宝庫」にする | 1日5分からの断捨離 第3回