キャリアの向かうべき先を見失ったとき。自分への「問いかけ」が道を照らした


マネージャーは、チームに参加してすぐ、チーム内の人とコミュニケーションを重ねはじめました。

「どこが分からないの?」「ここの部分は、すぐあの人に相談したほうがいいよ」とか。言われた通り、悩みをメンバーに相談してみると、意外とあっさり解決することも多くて。

ようやく、やっと気づいたんです。

私は自分の職域として「自分が責任をもって考えなければいけない部分」に対する固定観念が強くて、お互いに助け合おうとしていなかった。

チームとは、自分をオープンにして、議論し、相手を信頼し、そして許容し、力を合わせていいものを作っていく......そういう集合体なのだと学びました。

この方の下で働けたことは、私の大きなターニングポイントになりました。2回目の新規事業で私がプロダクトマネージャーに就いた際、時短で働きつつ限られた時間でマネジメントしチームパフォーマンスを高めていかなければならないという状況。

なんのために、誰のために、何を、どう作るのか。さらに出来上がったプロダクトによって売上を立て黒字化させ、その後も順調に成長させていく。事業の全責任を負う大きな責務を時短で担うことは、凄くチャレンジングで。

でも先の経験から、どんな時も自分ひとりで考え込まずにチームメンバーとたくさん話すようにしました。メンバーのみんなが何を求めているか、どうしたら動きやすいかを考え、一緒に作っていくことで乗り越えてきたんです。



キャリアに迷った時期。ある言葉で目が覚め、自分の指標を取り戻した


新規事業に二つ携わって、ようやく軌道に乗り始めた時。これから先、どのようにして自分が成長していけばいいのかが、分からなくなった時がありました。

もともとプロダクトマネージャーというのは、エンジニアとしてのバックグラウンドを持つ人がほとんど。そうでないと出来上がったものの良し悪しについては判断できないですから。

でも私、プログラミングができないんです。だから他企業では通用しないだろうな、とどこか負い目を感じていました。

エンジニアであるチームメンバーに「システムの話ができるから、プロダクトマネージャーとして十分」と言われても、プロダクトマネージャーとして自分は何を勉強し、どうなれば強くなれるのかをずっと探していました。

自信がなかったんです。

そうしていくうちに、自分は何を目指し、どこに向かえばいいのか。全く分からなくなってしまって。

「ポジションや役職を上り詰めること、それはあなたの幸せとは思えないよ」

業界で有名なプロダクトマネージャーの方に相談させていただいた際の、この言葉が刺さりました。

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文=櫻井朝子

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