ビジネス

2020.12.28

2020年のバンキング:苦難と新たなビジョン

ジョー・バイデン / Getty Images


2020年の状況が浮き彫りにしたもうひとつの希望の兆しは、ビジネスにおける改善分野と投資分野が明らかになったことだ。リモートワークへの移行は、これまでに実施されたビジネス上の試みのなかでも特に重要な変化かもしれない。これにより、業界のテクノロジーやインフラに存在していたギャップが可視化された。

比較的小規模で、より機敏な組織はすばやく適応し、クライアントの差し迫ったニーズに対応した。なかでも注目すべきは、第1弾と第2弾いずれの給与保護プログラム(PPP)においても、コミュニティバンクや中規模の地方銀行が小規模企業支援の最前線に立っていたことだ。それが最終的に、パンデミック最盛期の数カ月間で、数多くの企業の破綻を防ぐのに役立った。

米中小企業庁(SBA)の統計データによれば、PPPを通じて中小企業に給付された補助金の55%は、資産100億ドル未満の銀行から出たものだった。そうした銀行は、競争の激しい業界で生き延びてクライアントのニーズに応えるために、必要な最新鋭のツールや効率を高めるテクノロジーを導入し、デジタル対応力を積極的に拡充していた。

新しい年が近づき、新大統領が就任しようとしているいま、私たちは新たなレンズを通して未来を眺め、絶えず変化する現況を利点に変えられる、またとない局面にいる。2020年が困難な1年だったことは否定しようがないが、そこから得た教訓を役立て、変化への適応を続けていけば、米国民全体の健康だけでなく、バンキング業界の健全さに関しても、2021年は前途有望な年になるはずだ。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

ForbesBrandVoice

人気記事