ビジネス

2020.12.29 08:30

「コネクテッドフィットネス」の人気がコロナ後も続く理由


ナイキやアディダス、アンダーアーマーなどスポーツ用品製造業者もコネクテッドフィットネスに参入し、ジムチェーン大手もジム閉鎖の影響を埋め合わせるためインターネットを介したサービス提供の拡大に関心を向けている。

しかし、この市場を確保しようとしているのは既に確立されたテックやフィットネス分野の企業だけではない。スポーツ選手もまた、フィットネスやパフォーマンス分野のスタートアップに投資している。ペロトンは売り上げの成長により、時価総額が300億ドル(約3兆1000億円)に達した。

ユニコーンとなった勝者も


ロックダウン中の大きな勝者となった2社の企業が現在、テック界のユニコーン(企業評価額が10億ドル以上の未上場企業)になった。サイクリストに人気のアプリ「Zwift(ズイフト)」がその一つだ。同社の登録ユーザーは現在250万人を超え、7月には仮装版ツール・ド・フランス開催にも活用された。またストラバは今年、1カ月に約200万人のペースでユーザーが増え、現在は約7000万人を抱えている。同社は先日資金を確保し、時価総額が約10億ドル(約1050億円)を超えた。

しかし、英調査会社CCSインサイトのアナリストらは、2社が最終的に1つのコネクテッドフィットネス大手になるかもしれないと考えている。

「今成長中のサイクリストやランナーのコミュニティー以外ではあまり知られていなったズイフトの仮想屋内運動アプリが、パンデミックによるロックダウン規制により最近は大評判になった」と同社は述べ、次のように続けた。

「ツール・ド・フランスが同社のアプリを使って仮想レースを行ったことを受け、月額15ドル(約1600円)の定額サービス以外の収入機会が明らかになりつつある。ズイフトはストラバのような屋外のランニングアプリを追い抜き、同社を買収の標的としている。買収が成立すれば、屋内外のエクササイズのための強力なアプリが作られ、ズイフトは市場への新たな経路を持つことができる」

新型コロナウイルスの感染者数が減り、ワクチンが入手できるようになるにつれ、人々はジムや自転車道、陸上競技用トラックに戻ってくるだろう。労働者が、安全が確保され次第オフィスに戻るのと同じだ。しかし、ロックダウンを通して人々が柔軟な働き方のメリットを体験したように、人々はコネクテッドフィットネスの未来も垣間見る機会を与えられた。

翻訳・編集=出田静

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