ブラック・アンビションは、全米規模のコンペティションを開催し、優秀な起業家チームには最大100万ドルの賞金を授与するほか、メンターによる指導も用意している。
「ベンチャーキャピタルで働く人々の大多数は白人であり、彼らから資金を調達できるアフリカ系アメリカ人はごくわずかなのが現状だ。私たちは人種的マイノリティの起業家を支援し、変化を起こしたい」とウィリアムスは話した。
ブラック・アンビションは、全米の伝統的黒人大学(HBCU)とパートナーシップを締結した。HBCUの現役学生や卒業生を対象としたコンペティション「The Black Ambition HBCU Prize」では、優勝者に25万ドルの賞金とメンターシップが与えられる。
さらに広範囲な人種的マイノリティ起業家を対象とした賞の「The Black Ambition Prize」の優勝者には100万ドルの賞金が用意されている。
ブラック・アンビションに賛同するコンサルティング企業Bridgespanのウィラ・セルドンは「ここには投資を受けるべき起業家たちがいて、彼らが未来の大企業を創り出すことを示していきたい」と述べた。「ニールセンのデータによると、2019年に黒人とラテン系の人々がブランドに支出した額は3兆ドルにも及んでいた。この市場には投資に値する十分な価値がある」と彼女は話した。
黒人男性のジョージ・フロイドが警察の暴力によって亡くなった事件や、それに続いて発生した全米の抗議デモを受けて、多くの企業らが新たな取り組みを始動させている。
「今年の夏、私たちが愛するブランドはすべて、より良い行動をすることを約束した」と、ウィリアムスのレーベル、I am OTHERのマーケティング責任者のDarla Vaughnは述べている。「ブラック・アンビションは、ブランドに抑圧のシステムを解体する役割を与えていく」
ブラック・アンビションは、既にアディダスやシャネル、チャン・ザッカーバーグ・イニシアチブ、ロックフェラー財団、Visa Foundationなどからの資金援助も受けており、さらに多くの企業との提携を模索している。
第1回目の受賞者は2021年7月に発表される予定だ。「HBCUなどの黒人を支援するコミュニティは大きな役割を果たしており、彼らと提携できたことは光栄だ。私たちの活動を実りのあるものにしたい」とウィリアムスは話した。