ゴールドマン・サックスは先週末の顧客向けリポートで、2021年末時点のS&P500種を約4300ポイント(21日の終値比で17%高)と予想した。ただ、これは企業業績が上向き、企業にとって好ましい低金利環境が続くことを条件とした「楽観的な」予想だと認めている。
実際、ウォール街でゴールドマンほど強気の見通しを示している企業はほかにない。モルガン・スタンレー、ウェルズ・ファーゴ、LPLファイナンシャルはいずれも、2021年末のS&P500種の目標値を3900(同6%高)に設定している。
ウェルズ・ファーゴとLPLは、企業業績は来年30%近く伸び、それが成長株の異様に高いバリュエーションをある程度下支えするとみている。成長株のバリュエーションによって、S&P500種の今年の平均バリュエーションは年間実現利益の30倍強に達している(昨年は約22倍だった)。
モルガン・スタンレーは21日、航空や飲食、ホテルといった景気循環株が過去6週間、大幅なアウトパフォーマンスとなっているのは、景気回復が順調に進んでいる兆しだとの見方を示し、こうした銘柄は来年、一段と相場の牽引役になっていくとも予想している。
その一方で、来年起きそうなインフレの加速は広範な株価上昇を反転させるおそれがあるとも警告し、とくに「割高な成長株」(ズームやペロトン、ショッピファイなどの巣ごもり銘柄を想起すべきだろう)に注意を促している。
モルガン・スタンレーは、S&P500種は来年、最大8%下落する可能性もあると言及している。