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深センのリアルなキャリア事情


18歳まで香港で育った久保田氏は、4カ国語に堪能なマルチリンガルだ。欧米企業などへのキャリアパスも選べたはずの彼が、桜花スタジオを選んだのは、とてもシンプルな理由だった。

「僕にとっていちばん大切なことは、純粋に良いゲームがつくれることです。世界で評価される作品をつくりたいと新天地を探し始めたときに桜花スタジオとの出会いがあり、このプロジェクトの話にワクワクが止まらなくなりました。新設のスタジオで自分たちが中心になってコンソールゲームの開発ができるうえ、グローバル展開できる資本力もある。もうここしかないと即決しました」


桜花スタジオの渋谷拠点

まだ仲間入りしたばかりの久保田氏だが、コロナ禍のなかでのワークスタイルはどのようなものなのだろうか?

「いまはリモートワークがメインで、必要に応じて渋谷のスタジオに出勤するという、とても良いバランスで働けています。広州とのやり取りにも慣れてきました。時差が1時間なので距離を感じることはないです。コロナが落ち着き、中国への渡航が再開され、広州オフィスを訪ねられる日が楽しみです」

その広州の桜花スタジオで働く日本人は、赤塚氏と小澤氏のみだが、NetEase Gamesには日本文化に慣れ親しみ、日本語が堪能な現地のメンバーが多く、両氏も日本語を使って現地のメンバーと一緒に働くことができているという。

最後に、なぜ彼らは資金や技術や期間など、すべてにおいて膨大な投資が必要なコンソールゲーム開発に、あえて挑戦するのか?  スタジオ長でもある赤塚氏は、以下のように、その意図について教えてくれた。

「コンソールゲームは参入障壁が高く、開発できる企業は限られてます。しかし、その領域で存在感を確立することができれば、他のチャネル作品との相乗効果を確実に高めることができます。たとえば、オリジナルキャラクターをより強烈に印象づけることもできるので自社で人気キャラクターを生み出し、ゲームを超えたメディアミックス展開も手掛けたい。アジア発信のエンターテイメントの進化を、僕たちでリードしていきたいと思っています」

連載:深センのリアルなキャリア事情
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文=藤井 薫

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