次々と常識を破る住宅メーカー社長が、2021年に「捨てる」こと

ウェルネストホームが提供する住宅

大量生産大量消費の「家づくり」に疑問を持ち、選び抜いた材料で手間を惜しまず、快適性と健康性を備えた高品質な住宅を提供するウェルネストホーム。まさに従来型住宅メーカーの「利益追求」をやめた企業だ。

この企業を率いる代表取締役社長の芝山さゆり氏自身も、小学校の教員、専業主婦というポジションを捨て、何も知らなかったこの業界に飛び込み、次々とこれまでの業界の常識を打ち破る新しい価値の創造を続けてきた。

その芝山氏に2020年を振り返り、新時代に向けて「捨てるべきこと」について聞いた。

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──ウェルネストホームの家づくりは、まさに従来の業界の「常識」を捨てたところから、新しい価値が生み出されていますね。


ウェルネストホームという社名は、「WELL(良い)」「WELLNESS(健康)」「NEST(巣)」これらを組み合わせた造語です。これまでの大量生産大量消費とは反対の、健康でいい材料や素材にこだわった家づくりを目指しています。

私たちが手がける住宅には、「真冬でも半袖、短パン、素足で過ごせる」「エアコンたった1台で最適な室内環境(手術室並み)を1年中キープ」「外からの騒音が全く気にならない」など多くの特長があるのですが、その良さを体感していただくために、「試住(しじゅう)体験」を始めました。

車を買うときは「試乗」、服を買うときは「試着」があるのに、一番高い買い物である住宅にそれがないのはおかしいですよね。私たちの家はデザインがウリなわけではありません。これから何十年も住み続けるわけですから、体と心で「良いな」と感じていただくことが一番です。

この「試住」はお客様にもとても喜んでいただき、大ヒット。今では、真剣に家づくりを考えていらっしゃるお客様をメインに、予約待ち状態になっています。



──順風満帆に事業展開されているように見えますが、2020年はどの業界にとっても厳しい年だったのではないでしょうか。

私たちの『今とこれから』が試されている年だったと理解しています。具体的には、次の3つのことをテーマとして考え直す良い機会となりました。

1.「今」こうして生きていられる命の尊さ
2.「今」前線で活躍してくださる方々への感謝
3.「これまで」の既成概念を取り払い、「これから」新たな価値観を持つことの必要性

これらの変化に際し、私たちは早い段階からZoomを活用してお客様と打ち合わせをしたり、バーチャルでモデルハウスを案内したり、新しい取り組みを導入しました。また、スタッフ間でも、Slackなどのコミュニケーションツールを活用したことで、これまで以上の情報共有やチームワークをとることができました。
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文=谷本有香

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