Sloyanがマサチューセッツ工科大学を卒業後、グーグルに就職したのに対し、Shatakhtsyanはアルメニアに残ってエレバン国立大学を卒業したが、大手テック企業への就職は叶わず、フリーランスとして生計を立てた。
「私が年収13万ドルだったのに対し、彼は時給30ドルしか稼いでいなかった。プログラマーとしての実力は彼の方が秀でていたが、私は履歴書の見栄えが良かったため、はるかに多くのチャンスに恵まれていた。この経験から、企業の採用プロセスには改善の余地があることに気が付いた」とSloyanは話す。
2人は、2015年に投資銀行出身で当時35歳だったSophia Baikと共にHRテック企業「CodeSignal」を設立した。同社は、企業がエンジニアを採用する際のバイアスを排除することを目指し、プログラミング能力を評価するプラットフォームを提供している。
同社は12月8日、Menlo Venturesが主導したシリーズBラウンドで2500万ドルを調達したことを明らかにした。評価額は1億2000万ドルで、累計調達額は3750万ドル(約39億円)に達した。
CodeSignalの顧客には、Zoomやウーバー、インスタカート、ロビンフッド、Asana、Brexなどの大手企業が含まれる。CodeSignalでチーフ・テクノロジー・オフィサーを務める30歳のShatakhtsyanは、フォーブスの「30アンダー30」のエンタープライズ・テクノロジー部門に昨年選出された。
現在32歳のSloyanがCEOを務めるCodeSignalは、設立当初はCodeFightsという社名だった。同社はリクルーターや採用担当マネジャーが履歴書に捉われ過ぎることがないよう、候補者の技術力を客観的に評価できるツールを提供している。
「統計によると、リクルーターが履歴書の評価に費やす時間は平均6秒だという。これは明らかにおかしい。中には、履歴書に目を通してもらえない求職者もいる」とSloyanは話す。
CodeSignalは、履歴書に対する偏見を排除すると同時に、採用担当者の時間を節約することを目指している。これらを実現するため、同社は求職者にコードを書かせ、それを独自開発したAIを用いて評価している。企業は、職種に応じてテストの内容や評価基準をカスタマイズすることができる。