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テラスハウスの制作会社の手助けもあり、精神科やクリニックに行ったが「薬は出せます」「何が欲しいの?」といった医者やカウンセラーの態度にまた傷ついた。日本でセラピーが一般的でない実情も思い知った。

「私は薬には頼らずにもっと健康的な方法で回復したいと思っていました。ゆっくりでもいいから、自分の意志で乗り越えたかったのです」

自分で何かを変えるしかなかった。本を読んだり、ポッドキャストや音楽を聴いたり、家でゆっくり過ごすことから始めた。散歩もすることにしたが、初めの一歩はなかなか大変だった。

1日目は玄関にスニーカーを出したが、外には出られず。2日目は靴紐を結んだものの、ドアを見つめると足がすくんで動けなかった。3日目には、近くのコンビニまで歩けるようになり、少しずつ距離を増やしていった。数週間後には、1日2万歩まで歩けるように。すると、血流が良くなり、頭の中が自然と整理されたという。

当時意識したのは「今日はスニーカーを履けて偉い。ちゃんと靴紐も結べた」と、自分を責めずに褒めるようにした。

「まずは、自分にとにかく優しくしてあげること。人から見たらバカバカしいかもしれないし、小さくてダサいかもしれない。でもこういう時期があるからこそ、人は強くなれる。自分にとっても、必要だったと思います」

重い自分で生きるのをやめた




12月に入ると、新たなマインドセットに切り替わった。自身のインスタグラムではこんな心情を綴っている。

「この1カ月を使って、全てを片付けて、今年大変だったことに対しての自分の怒りや悲しみをこの年に置いて、大切な経験と幸せな思い出だけを来年に持っていこうと思っています」

新年は、フレッシュな気持ちでスタートできる時。12月からは今までの自分とは決別し、前に進む決意をしたそうだ。

「過食症のときは正直消えてしまいたいと思っていました。重い自分の中で怒って悲しんで生きるのは、苦しかった。だけど、12月に入る前の日に『もうやめよう』と決めました。十分に悲しんだ、だからもう大丈夫。今年味わったことをただ忘れるのではなく、悲しみや怒りは置いて、メンタル的にも成長した自分で行こうと決めました」

アンチにも「愛」を持てる理由


2020年にSNSでの誹謗中傷は、社会問題として浮き彫りになった。Viviさんは心ないコメントを投げかけられたとき、どうしているのだろうか。彼女のアンチへの対応は意外な方法だった。

「見ない、受け流すべき」という意見もある中、Viviさんはアンチの存在を無視しない。

「自分の人生に満足しているハッピーなアンチって見たことないんですよ。だから怒れない。私は、その人と話したいと思います。その人自身の心が傷ついていない限り、他人に対してそういう反応はしないはず。自分が傷つけられてかわいそうだから、他人にもやり返したい。本当はいけないことではあるけれど、その気持ちも理解できます」

人の痛みがわかるからこそ、こんなことを思う。

「自分の時間を無駄にしているのに気づいて! と言いたくなります。その書き込みを続けてもあなたが幸せにならない、と」

文=初見真菜 編集=督あかり 写真=Christian Tartarello

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